ヒアルロン酸の価格差はなぜ生じる?──製剤の違いと選択基準を学術的に解説

ヒアルロン酸の価格差はクリニックごとにどのように生じるのか?」「安いヒアルロン酸は危険じゃないの?」──ヒアルロン酸注入を検討する方なら、一度は抱く疑問ではないでしょうか。
注射1本あたり数万円程度で収まる場合もあれば、同じ量でも大幅に価格が違うケースもあり、選択に戸惑う方は少なくありません。本記事では、ヒアルロン酸製剤の品質・技術・安全性の違いを学術的視点で解説するとともに、価格差がどのように生まれるのかを詳しく比較していきます。
また、-5から-10歳の自然な若返りを目指す「TFT治療」の取り組みを行うラベール代官山クリニックの施術方針や、正規品を使うメリットなども紹介します。この記事を参考に、ヒアルロン酸注入を安心かつ納得して選べるようになりましょう。


目次

  1. 1. ヒアルロン酸注入の価格差が気になる理由とは?
  2. 2. 製剤の違い:正規品かどうかが大きな分かれ目
  3. 3. 高額なヒアルロン酸=品質が良い?
  4. 4. コストに影響する要素:製剤・技術料・安全対策
  5. 5. 学術的視点で見る正規ヒアルロン酸製剤の特性
  6. 6. ラベール代官山クリニックの料金設定とTFT治療
  7. 7. 参考文献

1. ヒアルロン酸注入の価格差が気になる理由とは?

1-1. 1本●●円と大きく差がある現状

ヒアルロン酸注入の相場は、1本1ccあたり数万円〜十数万円程度が一般的ですが、クリニックによって大きな幅があるのが実情です。
たとえば「1本5万円」と提示するクリニックもあれば、「1本10万円以上」というところもあり、患者様からすると「違いは何?」と戸惑うのは当然でしょう。ここには製剤の種類や技術料、安全管理コストなど複数の要因が関係しています。

1-2. 安さだけを追求して大丈夫?

価格が安いからといって一概に危険、または高いから絶対に安全というわけではありません。ただし、医療機関が仕入れる製剤には正規流通と並行輸入品、さらには粗悪品までも存在し、中には厚生労働省の承認を得ていないヒアルロン酸を用いて極端に安い費用を設定しているケースもあるため注意が必要です[1]

1-3. 理想の施術を得るために価格差を理解する大切さ

ヒアルロン酸注入は美容医療の中でも人気ですが、施術の結果は製剤の品質や施術者の技術力に大きく左右されます。価格差の背景を理解したうえで、自分の希望や予算に合ったクリニックを選ぶことが、理想の結果を得る近道です。


2. 製剤の違い:正規品かどうかが大きな分かれ目

2-1. 厚生労働省承認の正規品

日本国内で使用が認められているヒアルロン酸製剤は、厚生労働省の厳しい審査を通過した「正規品」です。アラガン社をはじめとする有名メーカーの製剤は、多くがこの承認を取得しており、安全性と品質管理が徹底されています。
正規品は研究・開発に多大なコストをかけているため、高品質ながら価格が比較的高めに設定される傾向にあります[2]

2-2. ノーブランド品や並行輸入品のリスク

一部のクリニックでは、コストを下げるために承認外のノーブランド製剤や並行輸入品を使用しているケースがあります。これらの製剤は品質が保証されておらず、不純物が多かったり、有効成分の濃度にばらつきがあるなどの危険性があります[1]
安価に施術を受けられても、感染リスクやしこり・血管閉塞など重篤な合併症を引き起こす可能性が高まるため、慎重な判断が必要です。

2-3. クロスリンク技術や分子量の違い

ヒアルロン酸分子の「クロスリンク」により、持続性や粘度を調整する技術が各社異なっています。たとえば、アラガン社の「Vycross®技術」は高分子量と低分子量ヒアルロン酸を効率的に組み合わせ、高い弾力と持続性を実現[3]
こうした独自技術の開発には膨大な研究費用がかかるため、製品価格にも反映されます。結果として、安価な製剤との価格差が生まれる要因の一つです。


3. 高額なヒアルロン酸=品質が良い?

3-1. 価格だけでは判断できない品質

高価格帯の製剤が高品質であることは多いですが、価格のみで品質の良し悪しを一概に判断するのは危険です。クリニックの中には、広告費やラグジュアリー感の演出など、実際の施術以外の部分にコストをかけて価格を高く設定している場合もあり、必ずしも製剤の品質や施術技術に直結していない場合があります。

3-2. 施術者の技術力も大きく影響

同じ製剤を使用していても、医師の解剖学的知識や注入テクニックで結果は大きく変わります。血管や神経の走行を熟知し、安全性と美しさの両立を図るには相応の経験とスキルが必要[4]。価格が高いクリニックでも、施術者の技量が伴わないと満足度が低いケースもあるため、料金だけでなく実績やカウンセリング時の信頼感を重視しましょう。

3-3. 適正価格を見極める基準

– 厚生労働省承認の製剤を使用しているか
– 施術前のカウンセリングやアフターケアが充実しているか
– 医師の実績、専門知識、症例数
– 安すぎる場合は並行輸入品や未承認品の可能性
これらのポイントを総合的に考慮しつつ、納得できる価格帯かどうかを判断すると良いでしょう。


4. コストに影響する要素:製剤・技術料・安全対策

4-1. 製剤そのものの仕入れ価格

正規ルートで仕入れる厚生労働省承認の製剤は高価になりやすく、違法・未承認製剤に比べて価格差が生じます。特に研究開発費をかけているメーカーほど製品コストも高くなるため、施術価格にも反映される仕組みです。

4-2. 施術技術料とクリニック運営コスト

医師の技術力や症例実績、安全管理体制にコストをかけるクリニックほど施術料金が高く設定される傾向があります。内出血や感染リスク、血管閉塞などの合併症対策は手間と時間がかかるため、その分が施術費に上乗せされていると考えると理解しやすいでしょう。

4-3. 安全対策用品やアフターケアの充実度

施術時に使用するカニューレや使い捨ての衛生用品、ヒアルロニダーゼなどの緊急対応薬品など、安全対策のレベルによってもコストが変動します。万が一のトラブルに速やかに対応できる体制を整えるほど、施術価格は高めに設定されるケースがあります。


5. 学術的視点で見る正規ヒアルロン酸製剤の特性

5-1. 弾性・粘度の違いと施術部位への適正

ヒアルロン酸には、製品ごとに“硬め”や“柔らかめ”のタイプがあり、骨膜上などボリューム形成が必要な層に適したものから、浅いシワや唇などデリケートな部位に適したものまでラインナップが多様です。
適切な製剤選びがリフトアップや自然な仕上がりに直結するため、製剤開発に注力しているメーカーの製品は比較的高価格帯になるのが一般的[2]

5-2. Vycross®技術やHylacross™技術の意義

アラガン社は「Vycross®技術」で高い粘弾性と持続性を実現しており、ガルデルマ社の「NASHA(Non-Animal Stabilized Hyaluronic Acid)」技術やフィルテック社の「e-BRID™」など、各社が独自のクロスリンク方法を開発して品質を高めています[3]
これらの研究開発に多額の投資がなされるため、価格設定が高くなるのは避けられません。

5-3. 安全性と長期データの重要性

正規品のヒアルロン酸は長期的な臨床データが豊富で、安全性に関するエビデンスがしっかり蓄積されています[4]。初めてヒアルロン酸注入を受ける方や、合併症リスクを最低限に抑えたい方は、こうしたエビデンスの多い製剤を使用しているクリニックを選ぶのが安心です。


6. ラベール代官山クリニックの料金設定とTFT治療

6-1. アラガン社製ヒアルロン酸のみを使用

ラベール代官山クリニックでは、厚生労働省承認のアラガン社製ヒアルロン酸製剤のみを採用。1本1ccあたりの費用は110,000円(税込)で提供していますが、これは正規流通で品質管理された製剤を使い、かつ安全対策に注力しているからこそ実現している適正価格と考えています。

6-2. 骨格・脂肪・皮膚を総合的に見るTFT治療

当院では、ヒアルロン酸注入を単なる「シワ埋め」ではなく、顔全体の骨格や筋肉・脂肪のバランスを分析するTFT治療(トータルフェイシャルトリートメント)として行っています。-5から-10歳の自然な若返りを目指すうえで、単に価格面だけでなく施術結果の質にこだわりたい方には特におすすめです。

6-3. カウンセリング予約は「LINEメニュー」からのみ

料金や製剤選びに関する疑問などは、施術前のカウンセリングで丁寧に説明しています。ご予約は「LINEメニュー」からのみ受け付けておりますので、まずは公式LINEをご登録いただき、日時をお取りください。
カウンセリングでは患者様の希望や予算を踏まえながら、過不足のない注入量や施術プランを提案。クリニック選びに迷っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。


7. 参考文献

  1. Funt D, Pavicic T. Dermal fillers in aesthetics: an overview of adverse events and prevention. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2013;6:295-316.
  2. Gold MH. Use of hyaluronic acid-based fillers for the treatment of the aging face. Clin Interv Aging. 2007;2(3):369-376.
  3. Mendelson BC, Wong CH. Changes in the facial skeleton with aging: implications and clinical applications in facial rejuvenation. Aesthetic Plast Surg. 2012;36(4):753-760.
  4. De Boulle K. Management of complications after filler injections. J Cosmet Laser Ther. 2014;16(5):239-249.

まとめ
ヒアルロン酸の価格差は、製剤の品質や研究開発コスト、正規流通ルートの有無、施術者の技術力、安全対策への投資など、さまざまな要素が絡んで生じています。安すぎるものは未承認品や並行輸入品の可能性が高く、逆に高額であっても必ずしも品質や技術が保証されているとは限りません。
正規品の使用や骨格への理解を踏まえた施術を重視するなら、しっかりとした説明と実績のあるクリニックを選ぶことが重要です。ラベール代官山クリニックでは、アラガン社のヒアルロン酸製剤を用い、TFT治療の考え方で-5から-10歳の若返りを目指す施術を行っており、カウンセリング予約はLINEメニューからのみ受け付けています。
ヒアルロン酸注入を安心・納得して受けるためには、価格差の背景を理解し、信頼できるクリニック・医師を選ぶことが何より大切です。

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医療法人丸岡医院 理事
丸岡 悠
Column

ヒアルロン酸治療について

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