涙袋へのヒアルロン酸注入で、自然に明るい目元を演出する

涙袋は、目元の印象を大きく左右する繊細なパーツです。目の下にぷっくりとしたハリや柔らかさがあると、表情が優しげで若々しく見えやすく、笑顔にも華やかさをもたらします。しかし骨格や脂肪体の位置、加齢や生活習慣などさまざまな要因によって、涙袋がうまく形成されなかったり加齢で萎縮したりすると、目元がさびしく見えたり、クマが強調されて疲れた印象を与えたりすることがあります。こうした悩みに対して注目を集めているのが、涙袋へのヒアルロン酸注入という施術です。短時間で比較的負担が少なく、自然な仕上がりを期待できるとされ、多くの方が検討している治療法でもあります。

一方で、「本当に手軽なのか」「ダウンタイムはどれくらいなのか」「仕上がりが不自然にならないか」など、不安を抱える方がいるのも事実です。さらに、涙袋を作る施術というとどうしても“いかにも整形しました”という不安がつきまとい、「誰にもバレずにこっそり自然に仕上げたい」と思っている方は特に慎重になりがちでしょう。そこで本記事では、当院が採用しているTFT治療(トータルフェイシャルトリートメント)の観点から、涙袋 ヒアルロン酸注入のメリットや施術フロー、ダウンタイムやリスク、さらに学術的な背景などを包括的に解説します。「骨格や脂肪体など全体のバランスを考えながら施術する」というTFT治療の方法を知ることで、ただ涙袋をぷっくりさせるだけではなく、顔全体として自然で美しい目元を目指す施術の重要性を理解できるはずです。


1. 涙袋が与える印象と、その役割について

涙袋とは、下まぶたの際に生じるわずかな膨らみのことを指します。欧米では「ティアトラフ」と呼ばれることもありますが、日本では「涙袋」として広く認知されており、アイメイクやコンシーラーで描き足す方法を試している方も多いのではないでしょうか。この涙袋には、目元を優しく大きく見せる効果があるとされ、若い世代から中高年まで幅広い年齢層の方が関心を寄せています。目尻から頬へ向かう曲線の中でほんの少しぷっくりしている部分があるだけで、笑ったときの可愛らしさや親しみやすさがアップするとも言われています。しかしかんたんにメイクで描いた涙袋では、時間が経つと崩れたり、不自然に見えたりするため、根本的な解決を求めて医療施術を検討する方も増えてきました。

そもそも涙袋がしっかり形成されているかどうかは、骨格や脂肪体の配置、加齢による肌の弾力低下など多方面の要素が関与します。加齢によって頬や目の周囲の脂肪体が萎縮してくると、涙袋が減少して目の下にくぼみやクマが目立ちやすくなることもあるのです。また、生まれつき目の下がフラット気味の方の場合、涙袋をメイクで描いてごまかしても限界があり、より根本的な改善策としてヒアルロン酸注入が選択されるケースがあります。当院ではこうした悩みに対しても、骨格や皮膚の状態をじっくりチェックした上で、TFT治療のコンセプトに基づいて適切な量と位置にヒアルロン酸を注入し、自然な涙袋を形作るアプローチを行っています。


2. ヒアルロン酸注入で涙袋を作る仕組み

ヒアルロン酸はもともと人体内に存在する保湿成分で、肌の弾力や潤いを保つ重要な働きを持っています。しかし加齢や紫外線の影響などで減少すると、肌のハリやボリュームが失われ、シワやたるみを引き起こす原因となります。美容医療で用いられるヒアルロン酸は人工的に製造された製剤ですが、生体適合性が高くアレルギー反応を起こしにくいため、しわやボリュームロスを補うフィラーとして長年使用されてきました[1]。

涙袋へのヒアルロン酸注入では、ジェル状のヒアルロン酸を下まぶたの際やその周辺に慎重に注入し、やわらかい隆起を作ることで自然な膨らみを演出します。ヒアルロン酸の性質上、内部から皮膚を押し上げる効果があり、適量を適切な層に入れれば、違和感なく本来の涙袋があるかのような印象を与えることができます[1]。しかし目の下は血管や神経が密集しているデリケートな部位であり、安易にヒアルロン酸を注入すると血行障害やしこりなどのリスクがあるため、医師の技術と解剖学的知識が不可欠となります。また、量を誤って過度に注入すれば不自然なぷっくり感が生じ、逆に整形感を強調してしまうおそれがあるため、慎重なデザインと施術が求められます。

当院では、涙袋にヒアルロン酸を注入する際もTFT治療(後述)をベースに、顔全体との調和を考慮したアプローチを行っています。単に目の下を膨らませるのではなく、「なぜ涙袋が少なく見えるのか」を骨格や脂肪体の配置、肌の弾力やたるみなど多角的に分析し、必要に応じて他の部位への調整注入も検討します。こうした包括的な診断と施術計画によって、パーツごとに見ると少しの変化でも顔全体としては大きな若返り効果を得られる可能性が高まるのです。


3. トータルフェイシャルトリートメント(TFT治療)での涙袋形成

涙袋へのヒアルロン酸注入は、施術時間が短くメスを使わない手軽さが特徴ですが、一方でいかにも整形顔のような不自然さや、目元だけが突出して浮いてしまうリスクもあると言われます。こうしたリスクを最小限に抑え、かつ顔全体の若返り効果を高めるために、当院ではトータルフェイシャルトリートメント(TFT治療)という概念を大切にしています[2]。

TFT治療の考え方では、涙袋と頬やこめかみ、さらには目尻や眉下といった周辺パーツを「切り離して考えない」点が大きな特徴です。たとえ涙袋をぷっくりさせたとしても、もし頬の上部が大きく萎縮している場合は、全体としてのバランスが崩れる可能性があります。また、目の下にクマがある方は、単に涙袋を強調してもクマがかえって目立ってしまうこともあるため、クマの原因が色素沈着なのか、脂肪体の配置によるものなのかを見極める必要があります[2]。こうした分析を基に、顔を総合的に捉えて最小限のヒアルロン酸注入で最大限の効果を得ることを目指すのがTFT治療の利点です。

さらにTFT治療では、施術する医師が解剖学的な知識はもちろん、美的バランスや患者様の理想とするイメージを総合的に考慮しながらデザインを行います。過度に涙袋を大きくするのではなく、骨格や頬の高さ、皮膚の弾力などを踏まえた上で自然な量を慎重に注入することで、「もともと涙袋がある人」のような仕上がりに近づけることができます。当院ではこうした理念をもとに、強引なボリュームアップではなくあくまで自然さを重視した施術を行っています。


4. 施術のメリット・デメリットを知る

涙袋のヒアルロン酸注入はメスを使わないため、外科的な手術に比べると身体への負担やダウンタイムが少ないことが大きなメリットです。施術が終わった直後からある程度の変化を実感しやすく、鏡で仕上がりを確認しながら微調整を行うことも可能です。特に、ヒアルロン酸は体内にある成分と似ているため生体適合性が高く、トラブルが起きにくいとされます[1]。

一方で、ヒアルロン酸が体内で徐々に吸収される性質を持つため、効果の持続期間は永久ではありません。長期的に同じ涙袋をキープしたい方は定期的なメンテナンスを検討する必要があります[1]。また、施術後に腫れや内出血、まぶたの違和感などが出る場合があり、数日から1週間程度は様子を見る必要があるでしょう。施術後すぐに激しい運動や長時間の入浴を控えることで、腫れや内出血を最小限に抑えられる可能性があります。リスクとしては、血管内注入や感染のリスクがゼロではないため、解剖学に精通した医師が安全を考慮して施術を行うことが重要です。

また、施術者の技術や美的感覚によって仕上がりに差が出やすい部位でもあるため、「ただ涙袋を大きくすれば良い」という安易な考えでは不自然なぷっくり感に陥るリスクが高まります。ご本人の希望を聞くことはもちろん大切ですが、医師による骨格や皮膚状態の診断と、TFT治療の視点を組み合わせることで、不自然さを回避し、なおかつ顔全体として若々しい印象へと導くことが可能です。


5. 当院での施術フロー:カウンセリングから施術まで

まずは医師がカウンセリングを行い、患者様の骨格や脂肪体、皮膚の状態を確認しながら、どのような涙袋を目指すのかヒアリングします。強く大きな涙袋を求める方もいれば、ほんの少しの丸みを加えたい程度の方もおり、その希望によって注入する量や位置が変わります。ただし、TFT治療の考え方では、単に涙袋だけに視点を絞るのではなく、頬骨や目尻、下まぶたの余剰皮膚の有無などもあわせて観察し、全体のバランスを見極めることが欠かせません。

施術当日は、洗顔やメイク落としを行い、施術部位を清潔に保った上でデザインを確認します。多くの方は極細の針を使用するため、我慢できないほどの痛みにはならないと感じるケースが多いようです。デザインを確定したら、ヒアルロン酸を少しずつ注入し、医師がその都度鏡で仕上がりをチェックして微調整します。涙袋はわずかな違いでも印象が大きく変わる繊細な部位です。

施術が完了したら、目元を軽く冷却し、腫れや内出血を抑えるようにします。必要に応じて鏡を見ながら、患者様と医師の間で仕上がりの最終確認を行い、問題がなければ施術は終了となります。メイクは基本的には翌日以降から推奨しますが、強くこすらない程度であれば当日から可能な場合もあります。腫れや内出血が出る場合がありますが、多くは数日から1週間程度で落ち着きます。施術後の注意点はスタッフから詳しく説明しますので、わからないことは遠慮なく質問してください。


6. ダウンタイム・リスク対策・持続期間

涙袋へのヒアルロン酸注入は、切開手術などに比べると大掛かりなダウンタイムを要しない施術です。ただし個人差があるため、腫れが出やすい方は数日から1週間程度、目元がやや腫れぼったく見えたり、内出血が青紫色に出たりする場合があります。その間は激しい運動や長時間の入浴、飲酒など、血行を極端に促進させる行為を控えることで回復を早めることが可能です。コンシーラーやアイメイクを使って隠すこともできるため、大きな生活制限にはならないケースが多いです。ただし、特別なイベントや撮影がある場合は、1〜2週間程度の余裕を持って施術の予約を取ることをおすすめします。

リスクとしては、血行障害が挙げられます。特に目の下周辺は血管が密集しているため、医師が解剖学的知識を持たずに無分別にヒアルロン酸を注入すると、血管内に入り込んでしまうリスクがゼロではありません[3]。こうしたリスクを避けるには、極細の針やカニューレを用いてゆっくり慎重に施術を行う必要があります。当院ではTFT治療の観点から、解剖学を熟知した医師が少量ずつ入念に注入を行い、万が一血行障害が疑われる症状が出た場合には迅速に溶解酵素を使うなど適切な対応が取れる体制を整えています。

また、ヒアルロン酸の効果は永久ではなく、約1年半程度かけて徐々に吸収されるのが一般的です[1]。吸収速度は個人差や製剤の種類、表情の動きによって変化しますが、理想の状態を維持したい場合は定期的なメンテナンスを行う必要があります。ヒアルロン酸は繰り返し注入できる素材であるため、加齢の進行とともに涙袋が再び萎縮してしまっても、定期的な施術で「いつまでも若々しい目元」を保つことも可能です。


7. Q&A(よくある質問)

Q1. ヒアルロン酸を入れて涙袋を作ると、いかにも整形っぽく見えないか心配です。
A1. 涙袋は非常に繊細なパーツであり、入れすぎたり位置を誤ったりすると不自然なぷっくり感が出るリスクがあるのは事実です。しかし当院では、TFT治療の考え方をもとに骨格や脂肪体の状態、肌質に合わせて少量ずつ注入するため、「自然に涙袋がある人」のような仕上がりを目指せます。仕上がりを確認しながら微調整を行うので、過度な整形感が出る心配を抑えられます。

Q2. 施術後の痛みや腫れが不安ですが、どれくらい続きますか?
A2. 施術後は多少の腫れや内出血、違和感が出る場合がありますが、多くの方は数日から1週間程度で落ち着きます。施術直後は患部をこすったり強く押さえたりしないよう注意し、激しい運動や飲酒も控えることで症状を早めに鎮めることができます。ほとんどのケースで日常生活に大きな支障は生じません。

Q3. 持続期間が短いと聞きますが、定期的なメンテナンスはどのくらいの頻度ですか?
A3. ヒアルロン酸の持続期間は1年半程度とされ、個人差や表情の動きによっても変わります。定期的にメンテナンスを受けることで、同じ涙袋の状態を長期的にキープすることが可能です。施術で使われる製剤や注入量も影響するため、詳しいスケジュールはカウンセリング時にご相談ください。

Q4. 施術を受けたい場合、どうやって予約すればいいですか?
A4. 当院では公式LINEのみでご予約を受け付けています。公式LINEにてご希望の日時をお知らせいただければ、スタッフが空き状況を確認し、カウンセリングや施術の日程を調整いたします。カウンセリング当日に施術を受けることも可能な場合がありますが、希望者が多い場合はあらかじめ余裕をもったスケジュールでお問い合わせください。


8. 参考文献

  1. [1] Talarico S et al. “Long-Lasting Efficacy and Safety of Hyaluronic Acid Filler in the Periorbital Region: A 9-Month Follow-Up Study.” J Drugs Dermatol.
  2. [2] Swift A et al. “BeautiPHIcation of the Face: Using Divine Proportions in Aesthetic Treatment.” Clin Plast Surg.
  3. [3] Funt D, Pavicic T. “Dermal Fillers in Aesthetics: An Overview of Adverse Events and Treatment Approaches.” Plast Surg Nurs.

涙袋は、一見すると小さなパーツのように思えますが、実際には目元や頬との境界を柔らかくつなぎ、表情を若々しく華やかに見せる上で非常に重要な要素です。加齢や骨格などの影響で涙袋が少ない、または消えかけていると感じる場合、ヒアルロン酸注入という手法で内側からボリュームを足すことで、笑ったときの愛らしさや明るい目元を取り戻すことが期待できます。ただし、過度に入れすぎると不自然になったり、血行障害などのリスクもあるため、解剖学的知識や美的感覚を兼ね備えた医師が丁寧に施術を行うことが大切です。

当院では、単なるパーツ治療にとどまらず、顔全体を包括的に捉えるTFT治療の考え方を用いて、自然かつ印象的な涙袋を形成するお手伝いをしています。腫れや内出血は個人差がありますが、多くの方が数日から1週間で気にならなくなる程度に収まり、すぐに普段の生活へ戻れるケースがほとんどです。ご予約は公式LINEのみで受け付けていますので、理想の目元を手に入れたい方はぜひカウンセリングへお越しください。

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医療法人丸岡医院 理事
丸岡 悠
Column

ヒアルロン酸治療について

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