美容医療の医療費控除完全ガイド|ヒアルロン酸やボトックスは対象?確定申告での節税方法

この記事の執筆者

丸岡 悠 医師
丸岡 悠(まるおか ゆう)
医療法人丸岡医院 理事

1988年山形県酒田市生まれ。酒田南高校卒業後、獨協医科大学(栃木)にて医師免許取得。 沖縄県立北部病院、独立行政法人日本海総合病院を経て現職(医療法人丸岡医院)。ラベールミラクリニック新井医師に師事し、ヒアルロン酸TFT治療を学び、庄内プライベートクリニック(美容外科/美容皮膚科)を開業。

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目次

確定申告シーズンに気になる美容医療費の疑問

「昨年ヒアルロン酸注入を受けたけれど、これって医療費控除の対象になるの?」「ボトックス治療の費用は確定申告に含められる?」──毎年この時期になると、美容医療を受けた多くの方から、こうしたご質問をいただきます。

医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に所得控除を受けられる制度ですが、美容医療については「どこまでが対象なのか」という境界線が分かりにくいのが現実です。特に、従来の部分的な美容治療と異なり、TFT(Total Facial Treatment)のような総合的なアプローチが普及する中で、その判断はさらに複雑になっています。

長年美容医療に携わる医師として、また税務の観点からも正確な情報をお伝えするため、美容医療と医療費控除の関係について詳しく解説いたします。「美容」と「医療」の境界線はどこにあるのか、そして賢い節税方法についても具体的にご案内します。

医療費控除の基本的な仕組みを理解する

医療費控除とは何か

医療費控除は、納税者本人や家族のために支払った医療費が、1年間で一定額を超えた場合に受けられる所得控除制度です。2017年からは従来の「10万円または所得の5%」という足切り額に加えて、セルフメディケーション税制という選択肢も追加されました。

基本的な計算式は以下の通りです:

控除額 = 1年間の医療費総額 – 保険金等で補てんされた金額 – 10万円(または所得の5%)

例えば、年間15万円の医療費を支払った場合、控除額は5万円となり、所得税率が20%の方であれば1万円の節税効果があります。

医療費控除の対象となる基本的な条件

国税庁では、医療費控除の対象を「医師等による診療や治療、医薬品の購入費用」と定めています。しかし、美容医療の場合、この「診療や治療」の解釈が重要なポイントになります。

重要なのは、その施術が「美容目的」なのか「治療目的」なのかという点です。同じ注射であっても、目的によって控除対象か否かが変わってくるのです。

美容医療が控除対象になる条件と境界線

治療目的と美容目的の境界線

美容医療が医療費控除の対象となるためには、明確な「治療目的」があることが前提条件です。単に「美しくなりたい」「若く見せたい」という動機だけでは、控除対象とはなりません。

医学的に「治療」と認められるケースは、以下のような条件を満たす場合です:

機能的な改善が目的である場合、例えば鼻づまりを解消するための鼻の手術や、眼瞼下垂による視野障害を改善する手術などは、明確に治療目的と判断されます。

医師が医学的必要性を認めた場合も重要な判断基準です。ただし、これは医師の主観的な判断だけでなく、客観的な医学的根拠が必要になります。

疾患の症状改善が目的の場合、例えば多汗症に対するボトックス治療や、顔面痙攣の治療としてのボトックス注射などは、保険適用の有無に関わらず治療目的と認められる可能性があります。

グレーゾーンの判断基準

実際の臨床現場では、美容と治療の境界線が曖昧なケースも多く存在します。例えば、深刻なニキビ跡によって精神的苦痛を感じている患者様への治療や、事故による瘢痕の改善などは、単純に美容目的とは言い切れない側面があります。

こうしたケースでは、以下の要素が判断材料となります:

医師の診断書に「治療の必要性」が明記されているか、患者様の日常生活に支障をきたしている症状があるか、そして保険適用の可能性があるかどうか、といった点が重要になります。

私の診療経験では、患者様ご自身が「美容目的」と考えていても、医学的には治療が必要と判断されるケースもあります。逆に、「治療」と思っていても税務上は美容目的と判断される場合もあるのです。

控除対象になる可能性がある治療例

ボトックス治療の場合

ボトックス注射については、使用目的によって控除対象か否かが明確に分かれます。

控除対象となる可能性が高いケース

  • 多汗症(腋窩多汗症、手掌多汗症)の治療
  • 顔面痙攣や眼瞼痙攣の治療
  • 偏頭痛の予防治療
  • 脳性麻痺による筋緊張の緩和

これらは明確に医学的な疾患に対する治療として位置づけられており、保険適用になる場合も多くあります。

控除対象外となるケース

  • 表情じわの改善(額、眉間、目尻など)
  • 小顔効果を目的としたエラボトックス
  • 美容目的のガミースマイル治療

ヒアルロン酸注入の場合

ヒアルロン酸注入に関しては、残念ながら美容目的での使用が大半を占めるため、控除対象となるケースは限定的です。

控除対象となる可能性があるケース

  • 先天性の顔面非対称を改善する治療
  • 事故や手術による瘢痕・陥凹の修正
  • 口唇裂手術後の機能的・形態的改善

控除対象外となる一般的なケース

その他の美容医療における判断例

レーザー治療については、治療目的によって判断が分かれます。シミ取りレーザーでも、外傷性の色素沈着や炎症後色素沈着の治療は控除対象となる可能性がありますが、加齢によるシミや美白目的の施術は対象外です。

糸リフトやHIFU治療などの施術は、現状では美容目的とみなされることがほとんどです。医学的必要性を証明するのが困難なためです。

TFT治療と医療費控除の関係

TFT治療の医学的位置づけ

当院で提供しているTFT(Total Facial Treatment)治療は、顔全体のバランスを医学的に評価し、最適な若返りを実現する総合的なアプローチです。単なる美容目的ではなく、顔面の解剖学的構造の理解に基づいた医学的治療として位置づけています。

しかし、税務上の観点から申し上げますと、TFT治療の多くは「美容目的」に分類される可能性が高いのが現実です。なぜなら、明確な疾患や機能障害の改善を主目的としていないためです。

医学的根拠と税務上の判断の違い

ここで重要なのは、「医学的に意味のある治療」と「税務上控除対象となる治療」は必ずしも一致しないということです。TFT治療のように、エビデンスに基づいた医学的アプローチであっても、税務署の判断基準では美容目的とみなされることがあります。

私たち医師が考える「治療の価値」と、税務当局が定める「控除対象の要件」には、残念ながらギャップが存在するのです。

患者様の生活の質の向上や精神的健康への貢献という観点では、TFT治療は明らかに医学的意義を持ちます。しかし、現行の税制では、こうした総合的な価値が控除対象として認められにくいのが現状です。

申請時の注意点と必要書類

確定申告での申請方法

美容医療費を医療費控除として申請する場合、以下の書類の準備が重要です:

必須書類

  • 医療費の領収書(原本)
  • 医師の診断書(治療目的を明記したもの)
  • 医療費控除の明細書
  • 確定申告書

特に重要なのは、医師の診断書です。単に「治療を行った」という記載ではなく、「なぜその治療が医学的に必要だったのか」を具体的に記載してもらう必要があります。

税務署による判断のポイント

税務署では、以下の要素を総合的に判断して控除対象か否かを決定します:

医師の診断書の内容、特に医学的必要性の記載が明確かどうか。保険適用の有無(保険適用でない場合でも、医学的必要性があれば控除対象となる可能性はありますが、判断材料の一つにはなります)。そして、同様の症状に対する一般的な治療選択肢の中での位置づけ。

よくある申請時のトラブル

実際に申請された方から、「税務署で詳しく質問された」「追加の書類を求められた」といったお話を伺うことがあります。これは、美容医療と治療目的の医療の境界線が微妙なためです。

トラブルを避けるためには、申請前に税務署や税理士に相談することをお勧めします。特に高額な施術費用を控除申請する場合は、事前の相談が重要です。

医療費控除以外の美容医療費用軽減方法

医療ローンと分割払いの活用

医療費控除が適用されない美容医療でも、費用負担を軽減する方法はあります。多くのクリニックで利用できる医療ローンは、低金利で分割払いが可能な制度です。

当院でも提携している医療ローンでは、実質年率3.5%~9%程度で、最大60回までの分割払いが可能です。月々の負担を軽減しながら、理想の治療を受けることができます。

クリニック独自の割引制度

多くのクリニックでは、複数の施術を組み合わせることで割引が適用される制度があります。TFT治療のように複数の部位を総合的に治療する場合、単発の施術よりもトータルコストを抑えることができる場合があります。

美容医療専用の積立制度

一部のクリニックでは、美容医療専用の積立制度を用意しています。毎月一定額を積み立てることで、将来の治療費に充当できる制度です。計画的に美容医療を受けたい方には有効な選択肢です。

2025年確定申告での注意点

令和6年分の変更点

2025年の確定申告(令和6年分)では、いくつかの変更点があります。医療費控除については大きな変更はありませんが、セルフメディケーション税制の対象となる医薬品の範囲が一部変更されています。

電子申告の推進

税務署では電子申告(e-Tax)の利用を強く推進しており、医療費控除の明細書も電子データでの提出が便利になっています。レシートの保存方法についても、電子データでの保管が認められるケースが増えています。

マイナンバーカードとの連携

マイナンバーカードを利用することで、医療費情報の自動取得が可能になっています。ただし、これは保険診療に限られるため、自費診療である美容医療の情報は手動で入力する必要があります。

適切な判断のために専門家への相談を

税理士との相談のメリット

美容医療の医療費控除については、税務の専門家である税理士に相談することをお勧めします。特に、以下のような場合は専門家の意見が重要です:

治療目的と美容目的の境界線が曖昧な場合、高額な施術費用を控除申請する場合、そして複数年にわたって治療を継続している場合などです。

医師としての診断書作成

医師として診断書を作成する際は、客観的な医学的事実に基づいて記載いたします。しかし、税務上の判断については医師の専門外であるため、税務の専門家との連携が重要になります。

患者様には、「医学的には治療価値がある」ということと、「税務上控除対象となる」ということは別の観点での判断であることをご理解いただいています。

まとめ

美容医療の医療費控除は、治療目的と美容目的の境界線によって判断されるため、一律に「対象」「対象外」と決めることはできません。重要なのは、客観的な医学的必要性があるかどうかという点です。

ヒアルロン酸注入やボトックス治療でも、明確な疾患の治療目的であれば控除対象となる可能性があります。一方で、TFT治療のような総合的なアプローチであっても、主目的が美容である場合は控除対象外となることが多いのが現実です。

確定申告の際は、医師の診断書をはじめとする適切な書類を準備し、必要に応じて税務の専門家に相談することをお勧めします。また、医療費控除にこだわりすぎず、医療ローンやクリニックの割引制度など、他の費用軽減方法も検討することが賢明です。

美容医療に関するご相談や、治療目的での施術について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。医学的な観点から、お一人おひとりに最適なアプローチをご提案いたします。

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