ボトックスで表情ジワを改善|打ちすぎない・固まらない自然な仕上がりの極意

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この記事の執筆者

丸岡 悠 医師
丸岡 悠(まるおか ゆう)
医療法人丸岡医院 理事

1988年山形県酒田市生まれ。酒田南高校卒業後、獨協医科大学(栃木)にて医師免許取得。 沖縄県立北部病院、独立行政法人日本海総合病院を経て現職(医療法人丸岡医院)。ラベールミラクリニック新井医師に師事し、ヒアルロン酸TFT治療を学び、庄内プライベートクリニック(美容外科/美容皮膚科)を開業。

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目次

「私、ボトックスやったでしょ?」と言われたくないあなたへ

「先生、友達に『最近なんか表情が硬いけど、ボトックスやった?』って聞かれちゃって…」

診察室で涙ぐみながら相談される患者様。他院で受けたボトックス治療が原因でした。額は確かにツルツルですが、眉毛が全く動かない。笑っても目が笑っていない。これ、実はボトックスという薬剤の問題ではなく、「打ち方」の問題なんです。

ボトックスは正しく使えば、とても優れた治療法です。私も長年使っていますが、「自然な仕上がり」にこだわれば、誰にも気づかれずに若々しい表情を保てます。問題は、その「正しい使い方」を知らない医師が多すぎること。

今日は、ボトックスで失敗しないための本当の知識をお伝えします。なぜ表情が固まってしまうのか、どうすれば自然な仕上がりになるのか。実際の症例を交えながら、詳しく解説していきます。

ボトックスって何?筋肉を「殺す」薬ではありません

まず、ボトックスの正体から説明しましょう。「ボツリヌス菌の毒素」と聞くと怖いイメージがありますが、美容医療で使うのは、その毒素を精製・希釈した安全な医薬品です。

ボトックスが効く仕組みは、実はとてもシンプルです。神経から筋肉への信号をブロックすることで、筋肉の過剰な収縮を抑えます。ここで大切なのは「過剰な」という部分。筋肉を完全に麻痺させるわけではないんです。

私がよく使う例えがあります。筋肉の動きを音量に例えると、通常の表情筋は音量10で動いています。これを音量3〜4程度に下げるのがボトックスの役割。完全に音量0にしてしまうと、無表情になってしまいます。

なぜ3〜4ヶ月で効果が切れるのか。これは、神経の末端が新しく再生されるからです。ブロックされた神経は、新しい枝を伸ばして筋肉との接続を回復させます。この再生には個人差がありますが、通常3〜4ヶ月かかります。

実は、この「効果が切れる」ことこそ、ボトックスの安全性を示しています。万が一、効きすぎたり、思った効果と違っても、時間が経てば必ず元に戻る。これがヒアルロン酸などの注入治療との大きな違いです。

なぜ「ボトックス顔」になってしまうのか?失敗の3大原因

「ボトックス顔」という言葉、聞いたことありますか?額はピカピカなのに眉毛が全く動かない、笑っても目元に表情が出ない…そんな不自然な顔のことです。

実際に、このような失敗例を修正することがよくあります。原因を分析すると、大きく3つのパターンに分けられます。

原因1:過剰投与による完全麻痺

最も多いのがこのパターンです。「シワを完全に消したい」という患者様の要望に応えようとして、必要以上の量を注入してしまう。結果として、筋肉が完全に麻痺し、表情が作れなくなります。

先日いらした45歳の女性患者様。他院で額に40単位ものボトックスを打たれていました。通常、額への適正量は8〜12単位。3倍以上の量です。確かに額のシワは消えていましたが、眉毛が1ミリも上がらない状態でした。

原因2:部位選択ミスによる表情のアンバランス

ボトックスは打つ場所が命です。解剖学的知識が不十分だと、狙った筋肉以外にも効いてしまい、予期しない表情の変化が起きます。

例えば、眉間のシワを消そうとして、眉毛を持ち上げる筋肉(前頭筋の内側)にまで効かせてしまうと、「への字眉」になってしまいます。いつも不機嫌そうな表情に見えてしまうんです。

原因3:左右差への配慮不足

人の顔は完全に左右対称ではありません。筋肉の強さも左右で違います。これを考慮せずに同じ量を打つと、片側だけ効きすぎたり、逆に効果が出なかったりします。

私は必ず、患者様に表情を作ってもらいながら、左右の筋肉の動きを細かくチェックします。右の眉毛の方が動きが大きければ、右側に少し多めに打つ。こうした微調整が、自然な仕上がりには欠かせません。

部位別ボトックス治療の極意:何単位をどこに打つか

ここからは、具体的な治療法について説明します。部位ごとに適正量と注入ポイントが異なるので、詳しく見ていきましょう。

額のシワ(前頭筋):8〜12単位で十分

額のシワは、前頭筋という大きな筋肉の収縮で生じます。この筋肉は眉毛を持ち上げる重要な役割も担っているので、打ちすぎは禁物です。

私の基本的なアプローチは、まず8単位から始めること。額の中央に4点、左右に2点ずつ、計8箇所に1単位ずつ分散して注入します。なぜ分散させるかというと、一箇所に集中すると、その部分だけ極端に動かなくなるからです。

重要なのは、生え際から2cm以上離すこと。生え際に近すぎると、まぶたが重く感じることがあります。また、眉毛から2.5cm以上離すことも大切。近すぎると眉毛が下がってしまいます。

初回は控えめに打って、2週間後に確認。もし効果が不十分なら、4単位追加します。この「段階的アプローチ」が、自然な仕上がりの秘訣です。

眉間のシワ(皺眉筋・鼻根筋):20単位が標準

眉間のシワは、複数の筋肉が関与しています。皺眉筋、鼻根筋、そして眼輪筋の一部。これらをバランスよく弱めることが重要です。

標準的には5箇所に注入します。眉間の中央に4単位、その左右に4単位ずつ、さらに外側に4単位ずつ。合計20単位です。

ここで注意すべきは、深さです。皺眉筋は比較的深い位置にあるので、針を垂直に刺し、骨に当たる手前まで進めます。浅すぎると、皮膚表面の眼輪筋にだけ効いてしまい、眉間のシワは残ったまま、目が開きにくくなることがあります。

目尻のシワ(眼輪筋):片側6〜8単位の繊細さ

いわゆる「カラスの足跡」と呼ばれる目尻のシワ。笑った時にできる自然なシワですが、深くなりすぎると老けた印象を与えます。

ここは特に繊細な部位です。眼輪筋は目を閉じる重要な筋肉なので、効かせすぎると目が閉じにくくなったり、涙が出やすくなったりします。

私は片側3箇所、各2〜3単位ずつ、合計6〜8単位を基本とします。注入位置は目尻から1cm以上離し、骨の上に打ちます。絶対に眼窩(目のくぼみ)の中には入れません。

また、下まぶたには打たないのが原則です。下まぶたの眼輪筋が弱まると、涙袋が目立たなくなったり、逆に腫れぼったくなったりすることがあります。

エラ(咬筋):片側25〜30単位で小顔効果

エラのボトックスは、表情ジワとは違う目的で使います。咬筋という噛む筋肉を弱めることで、エラの張りを改善し、小顔効果を得るのです。

咬筋は非常に強い筋肉なので、他の部位より多めの量が必要です。片側25〜30単位、両側で50〜60単位が標準です。

注入のコツは、筋肉の一番厚い部分を狙うこと。患者様に歯を食いしばってもらい、膨らんだ部分の中央に3〜4箇所に分けて注入します。

効果が現れるまでに2〜4週間かかることも説明します。筋肉が徐々に痩せていくので、即効性はありません。また、硬いものを噛む習慣がある方は、効果が出にくいことも事前にお伝えします。

ボトックスとヒアルロン酸、使い分けの極意

「先生、私のシワはボトックスとヒアルロン酸、どっちがいいんですか?」

これは本当によく聞かれる質問です。答えは「シワの種類による」です。でも、多くの方はこの違いを知らないまま治療を受けているんです。

動的シワと静的シワの見極め方

シワには大きく2種類あります。表情を作った時だけ現れる「動的シワ」と、無表情でも刻まれている「静的シワ」です。

簡単な見分け方をお教えします。鏡の前で無表情になってください。この状態で見えるシワが静的シワ。次に、思いっきり笑ったり、眉間にシワを寄せたりしてください。この時だけ現れるシワが動的シワです。

動的シワにはボトックスが効きます。筋肉の動きを抑えることで、シワの原因そのものを取り除くからです。一方、静的シワは既に皮膚に刻まれた溝なので、ヒアルロン酸で溝を埋める必要があります。

ただし、現実はそう単純ではありません。多くの場合、動的シワと静的シワが混在しています。特に40代以降は、元々動的シワだったものが、繰り返しの表情により静的シワに移行していることが多いんです。

併用することで得られる相乗効果

実は、ボトックスとヒアルロン酸を併用することで、単独では得られない効果が生まれます。

例えば、深いほうれい線の治療。ほうれい線自体は静的シワなのでヒアルロン酸で改善しますが、同時に口元の筋肉(口角下制筋)にボトックスを少量打つと、口角が自然に上がり、より若々しい印象になります。

額の治療でも同様です。深い横ジワがある場合、まずボトックスで筋肉の動きを抑え、その後でヒアルロン酸で残った溝を埋める。この順番が重要です。

順番を間違えると失敗する理由

ここで注意したいのが、治療の順番です。原則として、ボトックスを先に打ちます。

なぜか。ヒアルロン酸を先に入れてしまうと、筋肉の動きによってヒアルロン酸が移動したり、偏ったりする可能性があるからです。また、ボトックスの効果で表情が変わることもあるので、その変化を見てからヒアルロン酸の量や位置を決める方が、より自然な仕上がりになります。

私の場合、ボトックスを打って2週間後に再診し、効果を確認してからヒアルロン酸の治療計画を立てます。この「2段階アプローチ」により、それぞれの効果を最大限に引き出せるんです。

実際の症例:こうして自然な仕上がりを実現しました

ここで、実際の患者様の例をご紹介します(プライバシー保護のため、詳細は変更しています)。

症例1:過剰治療からの修正(42歳女性)

他院で「額のシワを完全に消したい」と相談し、40単位ものボトックスを打たれた患者様。確かにシワは消えましたが、「ろう人形みたい」と家族に言われ、当院を受診されました。

ボトックスは一度打つと元に戻すことはできません。効果が切れるのを待つしかないのですが、この方の場合、完全に効果が切れるまで5ヶ月もかかりました。

その後、改めて治療を開始。今度は8単位から始め、自然な表情を保ちながらシワを目立たなくすることに成功しました。「適量」がいかに大切か、身をもって経験された例です。

症例2:初回から自然に仕上げた例(38歳女性)

「絶対にバレたくない」という強い希望をお持ちの患者様。キャビンアテンダントという職業柄、表情の変化には特に敏感でした。

まず30分かけて表情分析を行いました。笑った時、驚いた時、考え事をする時…様々な表情での筋肉の動きを観察。その結果、右の前頭筋が左より20%ほど強いことが分かりました。

この分析を基に、額に右6単位、左5単位。眉間に16単位(通常より少なめ)。目尻は打たないことにしました。CAという職業上、豊かな表情が必要だからです。

2週間後の再診時、「同僚にも全く気づかれなかった。でも写真を見ると明らかに若返っている」と喜んでいただけました。これこそが理想的な仕上がりです。

症例3:長期メンテナンスで若さを保つ(48歳女性)

5年前から定期的に通われている患者様。最初は「ボトックスは怖い」というイメージをお持ちでしたが、丁寧な説明と段階的な治療で信頼関係を築きました。

初回は眉間のみ16単位。効果を実感され、3ヶ月後に額8単位追加。さらに半年後に目尻を追加…という具合に、少しずつ治療範囲を広げていきました。

現在は4ヶ月ごとのメンテナンス。額10単位、眉間18単位、目尻片側6単位が定番です。5年前と現在の写真を比べると、確実に老化の進行が抑えられています。「同年代の友人より10歳は若く見られる」とのことです。

重要なのは、毎回同じ量を打つのではなく、その時の状態に合わせて微調整すること。夏は汗をかくので少し多め、冬は表情が硬くなりがちなので少なめ…こうした季節変動も考慮します。

ボトックスの本当のリスク:正直にお話しします

美容医療に「絶対安全」はありません。ボトックスも例外ではなく、リスクはあります。ただ、そのリスクは適切に対処すれば最小限に抑えられます。

起こりうる副作用と対処法

最も多い副作用は内出血です。注射である以上、避けられません。ただし、細い針を使い、圧迫止血を確実に行えば、大きな内出血は防げます。万が一できても、1週間程度で消失します。

次に多いのが頭痛です。特に初回の方に起きやすく、額の筋肉が動かなくなることで、他の筋肉に負担がかかるためです。通常2〜3日で改善しますが、鎮痛剤で対処可能です。

稀ですが、眼瞼下垂(まぶたが下がる)が起きることもあります。額のボトックスが眉毛付近まで広がった場合に生じます。これも1〜2ヶ月で必ず改善しますが、点眼薬で症状を軽減できます。

効果が出ない場合の原因

「ボトックスが効かない」という相談を受けることがあります。原因はいくつか考えられます。

最も多いのは、量が少なすぎること。特に男性や、表情筋が発達している方は、標準量では不十分なことがあります。この場合は、2週間後に追加投与で対応します。

次に、注入位置のズレ。狙った筋肉に正確に入っていないと、効果は出ません。解剖学的知識と経験が問われる部分です。

稀に、ボトックスに対する抗体ができている方もいます。頻繁に大量投与を繰り返すと、体が異物と認識して抗体を作ることがあるんです。この場合は、一定期間休んだり、別の製剤に変更したりします。

妊娠・授乳中の注意点

ボトックスは妊娠中・授乳中は禁忌です。また、妊娠を希望される方は、治療後3ヶ月は避妊をお願いしています。

これは、ボトックスの安全性データが不十分なためです。動物実験では問題ないとされていますが、人間での大規模研究はありません。「念のため」の措置ですが、赤ちゃんのことを考えれば当然の配慮です。

治療中に妊娠が判明した場合も、過度に心配する必要はありません。これまで世界中で問題となった報告はありません。ただし、追加の治療は出産・授乳終了後まで控えていただきます。

ボトックス治療を成功させる5つの秘訣

最後に、ボトックス治療で自然な仕上がりを実現するための秘訣をまとめます。

1. 「完璧」を求めない

シワを100%消そうとすると、必ず不自然になります。70〜80%の改善を目指し、残りは表情の味わいとして残す。これが自然な仕上がりの鉄則です。

2. 医師とのコミュニケーションを大切に

どんな仕上がりを望むのか、仕事や生活でどんな表情が必要なのか。こうした情報を医師に伝えることが重要です。遠慮せず、希望や不安を話してください。

3. 段階的アプローチを選ぶ

初回から完璧を目指さず、少量から始めて徐々に調整。この方法なら、万が一イメージと違っても修正が容易です。

4. 定期的なメンテナンスを心がける

効果が完全に切れてから打つより、少し残っているうちに追加する方が、仕上がりが安定します。また、必要量も少なくて済むので、経済的でもあります。

5. 信頼できる医師を見つける

ボトックスは医師の技術力が如実に現れる治療です。価格だけで選ばず、症例写真や口コミ、実際のカウンセリングで判断してください。

まとめ:ボトックスは「表情を殺す」治療ではありません

ボトックスに対する誤解や偏見は、不適切な治療による「失敗例」から生まれています。でも、正しく使えば、これほど効果的で安全な治療法はありません。

大切なのは、表情を完全に止めることではなく、過剰な筋肉の動きを適度に抑えること。10の動きを3〜4に抑えることで、シワは改善しつつ、自然な表情は保たれます。

私がボトックス治療で最も大切にしているのは、「その人らしさ」を残すこと。笑顔が素敵な方の目尻のシワを完全に消してしまったら、その魅力も失われてしまいます。

美容医療は、あなたの人生をより豊かにするためのツールです。鏡を見ることが楽しくなり、写真を撮ることに抵抗がなくなり、人と会うことに積極的になれる。そんな変化をもたらすのが、本当の美容医療の価値だと思います。

もしボトックス治療に興味があるけれど不安もある…そんな方は、まずはカウンセリングだけでも受けてみてください。あなたの表情を大切にしながら、より若々しい印象を作るお手伝いをさせていただきます。

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