脊髄性筋萎縮症(SMA)(spinal muscular atrophy)とは、脊髄の前角細胞と呼ばれる運動神経細胞が徐々に減少していく遺伝性の神経筋疾患です。
この疾患では、SMN1遺伝子の変異により、筋肉を動かすために重要なタンパク質が十分に作られなくなります。
運動神経細胞の減少により、全身の筋肉が次第に弱くなっていき、体の中心に近い筋肉から症状が現れます。
脊髄性筋萎縮症(SMA)の種類(病型)
脊髄性筋萎縮症(SMA)には、発症年齢や運動機能の獲得状況により、SMAⅠ型(重症型)、SMAⅡ型(中間型)、SMAⅢ型(軽症型)、SMA IV型(成人発症型)という4つの主要な病型があります。
病型分類における発症時期の重要性
脊髄性筋萎縮症における病型分類において、発症時期は診断や経過観察における最も有用な指標です。
特に乳児期における運動発達の到達度と発症時期との関連性は、病型を判断する上で不可欠な要素となっています。
病型 | 発症時期 |
Ⅰ型 | 生後6ヶ月まで |
Ⅱ型 | 生後6-18ヶ月 |
Ⅲ型 | 18ヶ月以降 |
Ⅳ型 | 成人期 |
SMAⅠ型(重症型)の臨床的特徴
SMAⅠ型は、出生後から生後6ヶ月までに症状が顕在化する病型で、運動発達の遅延が顕著に認められ、独力での座位保持が困難です。
乳児期早期から筋力低下が進行することにより、発達段階における運動機能の獲得に大きな影響を及ぼします。
SMAⅡ型(中間型)の発達特性
SMAⅡ型では、生後6ヶ月から18ヶ月の間に運動発達の停滞が観察され、独力での座位保持は達成できるものの、補助なしでの歩行獲得には至りません。
ただし、SMAⅡ型の患者さんは、上肢の機能は比較的維持される傾向にあります。
SMAⅢ型(軽症型)の運動機能特性
SMAⅢ型は18ヶ月以降に発症し、独力での歩行を獲得できる病型で、他の病型と比較して運動機能の維持期間が長いです。
- 歩行開始時期による細分類
- 運動機能の経年的な変化
- 日常生活動作への影響度
- 長期的な経過観察の必要性
- 運動機能維持の個人差
SMA IV型(成人発症型)の特性と経過
成人期に発症するSMA IV型では、運動機能の低下は緩徐で、日常生活への影響も他の病型と比べると限定的です。
運動機能 | 特徴的な所見 |
歩行能力 | 長期間維持 |
筋力低下 | 緩徐に進行 |
日常生活動作 | 自立度が高い |
呼吸機能 | 比較的保持 |
成人発症型の患者さんは、職業生活や社会活動への参加も十分に可能であることが多く、生活の質を維持しながら長期的な経過観察を継続することが可能です。
脊髄性筋萎縮症(SMA)の主な症状
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、運動神経細胞の減少により、全身の骨格筋に進行性の筋力低下や筋萎縮が生じ、呼吸機能や嚥下機能にも影響を及ぼします。
全身の筋力低下と筋萎縮の特徴
筋力低下は体の中心部に位置する近位筋から始まり、四肢の遠位部へと進行していき下肢の筋力低下が顕著となり、歩行や立位保持が困難となることが多いです。
上肢においても、肩や上腕の筋力が低下し、物を持ち上げる動作や手を上げる動作に制限が生じます。
筋萎縮は筋力低下に伴って進行し、大腿部や上腕部で顕著になり、進行パターンは比較的対称的です。
また、四肢の近位部における筋力低下は、階段の昇降や椅子からの立ち上がりなどの日常動作に大きく影響を与えます。
呼吸機能への影響
呼吸に関わる筋肉群が弱まることにより、様々な呼吸器系の症状が生じ、横隔膜や肋間筋などの呼吸補助筋の筋力低下は、換気機能の低下を起こします。
肺活量の減少は臥位での呼吸困難感を強める原因で、気道内の分泌物クリアランス(痰や細菌・ウイルス・ほこり・花粉などを排出する能力)の低下は、呼吸器感染症のリスクを高めるので注意が必要です。
また、睡眠時無呼吸や夜間の低換気は、日中の疲労感や集中力低下の原因となります。
症状 | 特徴 |
呼吸筋力低下 | 横隔膜や肋間筋の筋力が低下し、十分な換気が困難に |
咳嗽力低下 | 気道内の分泌物を効果的に排出することができなくなる |
夜間呼吸障害 | 就寝時の呼吸状態が不安定になる |
胸郭変形 | 呼吸筋の弱化により、胸郭の変形が進行 |
嚥下・構音機能の変化
嚥下・構音機能の障害は、栄養の摂取やコミュニケーションに影響を与えます。
口腔期における食塊形成の困難さは、食事時間の延長や誤嚥のリスク増加につながり、咽頭期における嚥下反射の遅さや弱さは、誤嚥性肺炎のリスクを高める要因です。
構音障害は、口唇音や舌音の明瞭度低下として現れることが多くみられ、舌の萎縮や筋力低下は、構音障害だけでなく、食事時にも影響を及ぼします。
- 嚥下障害による誤嚥のリスク増加
- 咀嚼力の低下による食事時間の延長
- 構音障害による発話の明瞭度低下
- 舌筋力低下による食塊形成の困難さ
- 咽頭反射の減弱
運動機能の進行性低下
筋力低下は体幹や近位筋から始まり、徐々に遠位筋へと広がっていき、姿勢保持機能の低下は、脊柱変形や関節拘縮のリスクを高めます。
手指の細かの動きに関する運動障害は、書字や小物の操作などの動作に影響を与え、頸部筋力の低下は、頭部保持の困難さだけでなく、視線の安定性にも影響を及ぼします。
影響を受ける機能 | 症状 |
姿勢保持 | 体幹筋力の低下により座位保持が困難に |
歩行能力 | 下肢筋力低下により歩行パターンが変化 |
手指機能 | 細かな動作の制御が徐々に困難に |
頭部保持 | 頸部筋力低下により首の保持が困難 |
骨格系への二次的影響
脊柱側弯症は、体幹筋力の不均衡により進行性に悪化し、関節拘縮は下肢の大関節で発生しやすく、可動域制限の原因です。
胸郭の変形は呼吸機能にさらなる影響を与え、骨格系の変化は、姿勢バランスや運動機能に二次的な影響があります。
脊髄性筋萎縮症(SMA)の原因
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、第5染色体上に位置するSMN1遺伝子の変異または欠失により、運動神経細胞の生存に重要なSMNタンパク質が不足することで発症します。
SMN遺伝子の役割と機能
脊髄前角細胞という運動神経細胞の維持に中心的な働きを担っているSMN遺伝子は、人体の運動機能を維持する上で不可欠なタンパク質を産生する遺伝子です。
SMN遺伝子には2種類の形態があり、SMN1遺伝子とSMN2遺伝子の異なる特性を持つ遺伝子が第5染色体上に配置されています。
遺伝子種類 | 機能的特徴 |
SMN1遺伝子 | 完全長SMNタンパク質を産生 |
SMN2遺伝子 | 一部の完全長SMNタンパク質を産生 |
遺伝子変異のメカニズム
SMN1遺伝子の欠失や変異が生じると、細胞内で必要となる十分な量の機能的なSMNタンパク質を産生できなくなります。
この状況下では、運動神経細胞の正常な機能維持が困難となり、筋力の低下や筋萎縮といった症状が起こるのです。
遺伝子変異のパターン
- 完全欠失による機能喪失
- 部分的な遺伝子変異
- エクソンの欠失
- 点変異による機能低下
- 遺伝子再編成
SMN2遺伝子コピー数の影響
SMN2遺伝子のコピー数は病態の重症度と関連性を持つことが判明しています。
SMN2遺伝子は、SMN1遺伝子が産生できなくなったSMNタンパク質を部分的に補完する機能を有しているものの、産生される機能的なタンパク質の量は限定的です。
コピー数 | 臨床的意義 |
2コピー以下 | 重症化傾向 |
3-4コピー | 中等度 |
4コピー以上 | 軽症化傾向 |
遺伝形式と発症リスク
脊髄性筋萎縮症は常染色体劣性遺伝の形式をとり、両親から変異遺伝子を受け継ぐことで発症し、保因者は一般的に無症状で、通常の日常生活を送れます。
両親がともに保因者である場合、子どもが発症する確率は25%となり、保因者となる確率は50%、健常である確率は25%です。
診察(検査)と診断
脊髄性筋萎縮症(SMA)の診断では、問診や神経学的診察から得られる臨床所見を基盤としながら、電気生理学的検査による機能評価と遺伝子検査による解析を組み合わせて行います。
問診と家族歴の聴取
出生時からの運動発達の経過を時系列で確認することにより、症状の発現時期や進行パターン、さらには運動機能の獲得と喪失のプロセスを把握します。
両親からの問診では、妊娠中の特記事項や分娩時の状況、出生直後の状態など、周産期に関する情報に加えて、家族内での似た症状の有無や遺伝性疾患の既往についても聞き取りをすることが大切です。
乳幼児期における発達マイルストーンの達成時期について、首のすわり、寝返り、お座り、はいはい、つかまり立ち、独歩などの運動発達指標を月齢とともに確認し、同時期における退行の有無についても聴取していく必要があります。
現在の運動機能の状態は動作の可否や困難さの程度、さらには症状の進行速度や左右差の有無なども含めて情報を収集していきます。
さらに、呼吸機能の状態や嚥下機能の変化、整形外科的な問題の有無についての聞き取りも重要です。
問診項目 | 確認内容 |
発達歴 | 首すわり、寝返り、座位、立位、歩行の獲得時期 |
家族歴 | 両親の血縁関係、同胞の症状、家系内の神経筋疾患 |
周産期情報 | 妊娠経過、分娩様式、出生時の状態 |
現症 | 運動機能の低下部位、進行速度、随伴症状 |
神経学的診察の実際
年齢に応じた発達段階を考慮しながら、四肢や体幹の筋力低下の分布および程度を徒手筋力テスト(患者さんの筋力を人の手で判定する方法)によって評価していくとともに、深部腱反射の減弱や消失の有無についても確認します。
特に乳児期の症例では、抱っこした際の頭部コントロールの状態や四肢の自発運動の程度、さらには筋緊張の低下(フロッピーインファント)の有無など、年齢特異的な神経学的所見に注目しながら診察を進めることが大切です。
電気生理学的検査による機能評価
電気生理学的検査から得られる客観的なデータは、疾患の進行度を定量的に判断する指標として活用できるだけでなく、長期的な経過観察においても有用です。
電気生理学的検査 | 得られる情報 |
針筋電図 | 脱神経所見、再支配所見、運動単位の性状 |
神経伝導検査 | 複合筋活動電位の振幅、伝導速度 |
反復刺激検査 | 神経筋接合部の機能状態 |
定量的筋電図 | 運動単位の定量的解析データ |
遺伝子検査
遺伝子検査を実施する際には、検査の目的や意義、結果の解釈、さらには今後の対応について、十分な説明と遺伝カウンセリングを行いながら進めていきます。
- SMN1遺伝子の欠失検査(MLPA法による解析)では、エクソン7および8の欠失の有無を確認
- SMN1遺伝子の点変異解析(シークエンス解析)により、微細な遺伝子変異を同定
- SMN2遺伝子のコピー数解析は、予後予測や経過観察の参考となる情報を提供
- 遺伝子型と表現型の関連性評価では、臨床症状との整合性を検討
脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療法と処方薬、治療期間
脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療には、核酸医薬品であるヌシネルセンやリスジプラム、遺伝子治療薬オナセムノゲン アベパルボベクなどの薬物療法を中心に、理学療法や作業療法、言語療法などの複合的なアプローチが必要です。
核酸医薬品による治療法
核酸医薬品は、遺伝子レベルでSMNタンパク質の産生を促進する画期的な治療薬です。
薬剤名 | 投与方法 |
ヌシネルセン | 髄腔内投与 |
リスジプラム | 経口投与 |
ヌシネルセンは髄腔内投与で直接中枢神経系に作用し、SMN2遺伝子からの機能的なSMNタンパク質の産生を増加させる働きを持ちます。
導入期に4回の負荷投与を行い、その後は4ヶ月ごとの維持投与へと移行することで、継続的な治療効果を維持することが可能です。
リスジプラムは1日1回の経口投与で済むという利点があり、患者さんの負担を軽減します。
遺伝子治療薬による治療アプローチ
オナセムノゲン アベパルボベクは、機能的なSMN1遺伝子を直接体内に導入する遺伝子治療薬として開発されました。
- 単回投与で治療が完結
- 静脈内投与による全身への効果
- 2歳未満での投与推奨
- 早期投与による効果最大化
- 投与前の抗体検査が必要
理学療法による運動機能サポート
理学療法は薬物療法と並行して実施する重要な治療法で、運動機能の維持・向上が目標です。
療法の種類 | 主な目的 |
関節可動域訓練 | 拘縮予防 |
呼吸理学療法 | 呼吸機能維持 |
姿勢保持訓練 | 変形予防 |
筋力トレーニング | 筋力維持 |
作業療法による生活動作支援
作業療法では、日常生活における動作の練習や補助具の使用方法の指導を通じて、自立した生活を目指します。
言語療法によるコミュニケーション支援
言語聴覚士による言語療法では、構音機能や嚥下機能の維持・改善を目的とした訓練を実施していきます。
発声・発語器官の運動機能を維持するための訓練や、安全な食事摂取のための嚥下訓練などを組み合わせることで、コミュニケーション能力の維持を図ります。
脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療における副作用やリスク
脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬には、投与方法や薬剤の特性に応じて様々な副作用やリスクがあります。
核酸医薬品の投与に関連する副作用
ヌシネルセンの髄腔内投与では一時的な副作用が報告されており、慎重な経過観察が必要です。
副作用 | 発現時期 |
頭痛 | 投与後24-48時間 |
発熱 | 投与当日から数日 |
嘔気 | 投与直後から数時間 |
背部痛 | 投与直後から数日 |
投与に伴う痛みや不快感を軽減するために、投与前の局所麻酔や鎮痛薬の使用を考慮することがありますが、副作用の多くは一過性であり、数日程度で自然に改善することが多いです。
経口薬リスジプラムの副作用
リスジプラムの服用では、消化器系の副作用があります。
- 下痢の出現頻度と持続期間
- 食欲不振の程度と対処方法
- 腹痛の性質と発現パターン
- 嘔吐のリスク因子
- 体重変動への影響
消化器症状は服用開始初期に高い頻度で認められるものの、服用を継続することで症状が軽減していく例も多いです。
遺伝子治療薬による肝機能への影響
オナセムノゲン アベパルボベクによる治療では、肝機能障害に注意が必要です。
検査項目 | モニタリング期間 |
AST/ALT | 投与後3ヶ月間 |
γ-GTP | 投与後3ヶ月間 |
血小板数 | 投与後3ヶ月間 |
凝固機能 | 投与後3ヶ月間 |
投与前からステロイド薬を併用することで、肝機能障害のリスクを軽減でき、血液検査による定期的なモニタリングも大切です。
免疫反応に関連する副作用
遺伝子治療薬の投与に際しては、ウイルスベクターに対する免疫反応が生じることがありますが、投与前の抗体検査で既存の免疫反応の有無を確認することで、重篤な副作用のリスクを事前に評価できます。
免疫反応に関連する副作用は、発熱や倦怠感、関節痛などが報告されており、こ対症療法を行いながら経過を観察していくことが必要です。
治療費について
実際の治療費(医療費)が以下説明より高額になるケースが多々ございます。以下記載内容について当院では一切の責任を負いかねます事を予めご了承下さい。
遺伝子治療薬による治療費
オナセムノゲン アベパルボベクの薬剤費は、一回約1億6700万円です。
保険適用後の患者負担額は、3割負担の場合でも高額療養費制度により月額上限までの負担となります。
ヌシネルセンによる治療費
投与回数 | 薬剤費 |
初回4回 | 約940万円/回 |
維持期 | 約940万円/4ヶ月 |
脊髄腔内投与を行うため入院費用も考慮し、年間の総治療費は約2800万円です。
リスジプラムによる治療費
体重区分 | 年間薬剤費(概算) |
20kg未満 | 約1100万円 |
20kg以上 | 約2200万円 |
リスジプラム毎日の内服薬による治療で、体重に応じて投与量が変わります。
投与に伴う医療費の内訳
- 定期的な血液検査費用
- 肝機能モニタリング費用
- 尿検査費用
- 外来診療費用
- 薬剤管理指導料
以上
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