みなさんこんにちは。医療法人丸岡医院の丸岡悠です。
4月に入り、山形でも桜の開花が始まりましたね。ただ、この季節になると僕のクリニックはある意味「花粉症外来」と呼びたくなるほどの状況になります。くしゃみが止まらない、目がかゆくてたまらない、鼻水がずるずると続く——そういった患者さんがものすごい勢いで来られるのです。
「先生、もうつらくて仕事に集中できないんです」「目がかゆすぎて夜も眠れなくて」「市販薬を飲んでいるんですが全然効かなくて」——外来でこういった言葉を毎年この時期に山ほど聞くわけです。
日本では現在、約2000万〜3500万人が花粉症に悩んでいると言われています。これは国民のおよそ15〜25%に相当する数字です。もはや「国民病」と言っても過言ではない状況になっていますが、正しい知識を持って対処できている方が、思ったよりずっと少ないのが現実です。
今日は、僕が日々の外来で感じていることも含めながら、花粉症について深掘りしていきたいと思います。薬の使い方一つで症状がガラリと変わることもあるので、ぜひ最後まで付き合ってください。
- 花粉症とはどういう病気か?
- 花粉症はなぜ起こるのか?アレルギーの仕組みを知ろう
- 花粉症の症状——鼻・目・のどに現れるサイン
- 花粉のシーズンカレンダー——スギだけじゃない
- 花粉症の診断——クリニックでどんな検査をするのか
- 市販薬と処方薬の違い——薬の選び方と注意点
- 点鼻薬・点眼薬の正しい使い方
- 舌下免疫療法——根本から治す可能性がある治療
- 花粉飛散の多い日の過ごし方と予防策
- 食事・腸活で花粉症は和らぐのか
- 子どもの花粉症——親御さんに知っておいてほしいこと
- よくある質問(FAQ)
花粉症とはどういう病気か?
花粉症というのは、植物の花粉に対してからだが「敵だ!」と認識してしまうことで起きるアレルギー反応です。正式には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれていて、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを主症状とします。目のかゆみを伴う「アレルギー性結膜炎」が合併することも非常に多いです。
ではなぜ日本でこんなにも花粉症患者が多いのか?それは、戦後の植林政策と深く関係しているのです。
戦後の復興期に、木材需要に応えるために全国でスギの大規模植林が行われました。当時植えられたスギの木が今や樹齢50〜60年の成木となり、ものすごい量の花粉を毎年飛ばし続けているというわけです。僕は外来でこの話をするたびに「植林した先人たちも、まさかこんな形で後世の人が苦しむとは思っていなかっただろうなぁ」と思わずにはいられません(笑)。
環境省の調査によれば、1998年の有病率は約19%でしたが、2019年には約42%まで増加しています。つまり、今や国民のほぼ2人に1人が何らかの花粉症を持っている時代になったわけです。これだけ多くの方が悩んでいる病気だからこそ、正しい知識を持って向き合ってほしいと思っています。
花粉症は「花粉が飛ぶ季節になると症状が出て、シーズンが終わると自然に治まる」という特徴があります。でも「毎年繰り返す」という性質上、放置していると年々症状がひどくなっていく方も少なくありません。「慣れてきた」という感覚は、実は悪化しているサインの可能性もあります。早めに、正しく対処することがとても大切です。
花粉症はなぜ起こるのか?アレルギーの仕組みを知ろう
花粉症のメカニズムを理解しておくと、なぜその薬が効くのかが分かるようになります。少し難しく聞こえるかもしれませんが、大事なことなので一緒に見ていきましょう。
からだには外から侵入してきた「異物」を排除しようとする免疫システムが備わっています。これは本来、ウイルスや細菌から身を守るためのものです。でも花粉症の方の場合、このシステムが花粉を「危険な異物」と誤って認識してしまうのです。
最初に花粉が体内に入ったとき、免疫細胞は「IgE抗体」というものを作ります。これが花粉に対する「警備システムの設定」に当たります。そして翌年以降、再び花粉が入ってくると、IgE抗体がそれを検知し、「ヒスタミン」という物質を大量に放出します。このヒスタミンがくしゃみ・鼻水・かゆみの元凶なのです。
「初めて花粉にさらされた年は症状が出なかったのに、翌年から急に症状が出た」という方がいますよね。これがまさにこのメカニズムで説明できます。IgE抗体の「設定」が完成するまでに1シーズン以上かかることが多いのです。2年目以降に症状が出始めたという方は、抗体が完成したタイミングと重なっているわけです。
そしてもうひとつ知っておいてほしいのが「コップの水」の例えです。人間の体はアレルギー反応に耐えられる許容量を持っています。これをコップに入った水に例えると、花粉だけでなく、ストレス・疲労・睡眠不足・ほこり・ペットのフケなど、様々な刺激が加わって「コップから水があふれる」ときに症状として現れます。だから、花粉の量が同じでも、疲れているときの方がひどく感じるのはこういった理由があるのです。
花粉症の症状——鼻・目・のどに現れるサイン
花粉症の症状は「鼻・目・のど」の三カ所に集中して現れることが多いです。でも実は全身に影響を及ぼすこともあって、「なんとなくだるい」「集中力が下がった気がする」「頭がボーッとする」といった症状も花粉症が原因であることがあります。
鼻の症状として一番多いのが、 ①くしゃみ(特に朝方に連続して出やすい) ②水のような透明な鼻水(サラサラしている) ③鼻づまり(鼻の粘膜が腫れて空気が通りにくくなる) の3つです。
鼻づまりは特に「夜間や朝方に悪化する」という方が多いです。これは横になると鼻の粘膜に血液が集まりやすくなるためで、「鼻をかんでも詰まったまま」という感覚になりやすいわけです。
目の症状としては「目がかゆい」「目が充血する」「目がゴロゴロする」「目やにが増える」が代表的です。これを「アレルギー性結膜炎」と言います。花粉症の方の約80%がこの目の症状を合併しているとも言われていて、鼻だけでなく目にも対策が必要になるわけです。目をこすることで症状が悪化するという悪循環に陥りやすいので注意が必要です。
のどの症状は「のどがイガイガする」「せきが出る」「のどの奥がかゆい感じがする」といったものです。花粉が気管支にまで影響を与えると、ぜんそく様の症状が出ることもあります。
「全身の倦怠感」や「集中力の低下」は「花粉症による慢性的な炎症ストレス」がからだ全体に影響しているためと考えられています。僕の患者さんにも「花粉シーズンだけなぜかやる気が出ない」とおっしゃる方が多くて、花粉症がQOL(生活の質)に大きく影響することを実感しています。
花粉のシーズンカレンダー——スギだけじゃない
多くの方が「花粉症 = スギ花粉」と思っているのですが、実は年間を通じて様々な花粉が飛んでいます。自分がどの花粉に反応しているかを知ることが、対策の第一歩です。
①スギ(2月上旬〜4月下旬)——日本の花粉症の代表。飛散量が多く、症状も重くなりやすいです。日本全国でスギ花粉症を持つ方は約3000万人と推計されています。
②ヒノキ(3月下旬〜5月中旬)——スギの後を追うように飛散します。スギとヒノキのアレルギーを両方持っている方も多く、その場合は春のほぼ全体を通して症状が続くことになります。「3月になっても症状が続く」という方はヒノキも疑ってみてください。
③イネ科(5月〜8月)——カモガヤやオオアワガエリなどが代表的です。都市部よりも郊外に多い花粉で、5〜7月に飛散のピークがあります。
④ブタクサ・ヨモギ(8月〜10月)——秋の花粉症はこれが原因のことが多いです。「夏が終わっても鼻水が続く」という方はブタクサの可能性があります。
「先生、花粉症って春だけじゃないんですか?」とよく聞かれます。そうなんです、春だけじゃないのです。夏から秋にかけても「目がかゆい、鼻水が出る」という方は、イネ科やブタクサの花粉が原因の可能性があります。血液検査を受ければどの花粉に反応しているかが分かるので、「毎年決まった時期に症状が出る」方はぜひ一度調べてみてほしいのです。
山形の場合、スギは2月中旬から飛び始め、4月下旬頃まで続きます。今年は春先から比較的暖かい日が続いたためか、飛散開始が例年より早めだったと患者さんからも聞いています。気象条件によって毎年飛散量は変わるので、シーズン前に花粉情報をチェックしておくことをおすすめします。
花粉症の診断——クリニックでどんな検査をするのか
「花粉症かも?」と思ったら、ぜひクリニックへ来てください。自己判断で市販薬をずっと続けている方も多いのですが、正確な診断をつけることで治療の選択肢が大きく変わるのです。
クリニックでの診断の流れはこんな感じです。問診では「どんな症状が、いつから、どんな時期に出るか」を詳しく聞きます。「花粉が飛ぶ時期だけ症状が出て、シーズンが終わると自然に改善する」というパターンが典型的なサインです。続いて「鼻鏡検査」で鼻の粘膜の状態を確認します。アレルギー性鼻炎では鼻の粘膜が蒼白っぽくなって腫れているのが特徴的です。
アレルギーの確定診断には「血液検査」が一番確実です。「特異的IgE抗体検査」というもので、どの花粉に対してアレルギーを持っているかを調べることができます。スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサなど、様々な花粉について調べることができるので、自分が何に反応しているのかが明確になります。
血液検査の結果はだいたい数日後に出ます。「スギには反応しているけれどヒノキには反応していない」という方もいれば、「複数の花粉に反応している」という方もいます。正確に分かってから対策を立てる方が、やみくもに市販薬を試し続けるよりずっと効率的なのです。
ちなみに、花粉症の診断は必ずしも耳鼻咽喉科でなくても受けることができます。僕のクリニックのような内科でも対応しています。「どこに行けばいいか分からない」という方は、かかりつけの内科や耳鼻科のどちらでも大丈夫です。
市販薬と処方薬の違い——薬の選び方と注意点
花粉症の薬は大きく「抗ヒスタミン薬」「ステロイド点鼻薬」「抗アレルギー薬(ケミカルメディエーター遊離抑制薬)」に分けられます。
市販薬で売られている多くのものは「第1世代抗ヒスタミン薬」と呼ばれるもので、確かに効果はあるのですが「眠気が出やすい」という大きな欠点があります。「薬を飲んだら眠くて仕事にならない」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。クルマを運転する方や仕事中に集中力が必要な方には特に注意が必要です。
処方薬では「第2世代抗ヒスタミン薬」が使われます。こちらは眠気が出にくく設計されていて、効果も市販薬より安定していることが多いです。ロラタジン、フェキソフェナジン、セチリジンなどが代表的な成分名です。
ではなぜ処方薬の方が良いのか?それは単純に「医師が症状に合わせて選べる」からです。くしゃみ・鼻水が主な方には抗ヒスタミン薬が第一選択ですが、鼻づまりが特につらい方にはステロイド点鼻薬を組み合わせる方が効果的なことが多いです。目の症状がひどい方には抗アレルギー点眼薬も一緒に処方します。
大事なのが「初期療法」という考え方です。抗ヒスタミン薬は「花粉シーズンが始まる2週間前から飲み始める」ことで、症状が出てから飲むよりも効果が高まることが知られています。「もうすでに症状が出ているんですが、今から飲んでも意味がありますか?」と聞かれることもありますが、もちろん今から飲み始めても意味はあります。ただ、来シーズンからは2週間前を目安に始めてみてください。
「花粉症の薬は毎年飲み続けないといけないんですか?」という質問も多いです。現在の薬物療法は「症状を抑える」ことが目的なので、花粉シーズン中は飲み続けることが基本です。根本的な体質改善を目指すなら、後述する舌下免疫療法という選択肢もあります。
点鼻薬・点眼薬の正しい使い方
「点鼻薬を使っているんですが効いている気がしなくて」という相談をよく受けます。聞いてみると、使い方が少しズレていることがほとんどです。使い方を変えるだけで効果が全然違ってくるので、ここで一緒に確認しておきましょう。
点鼻薬には大きく2種類あります。ひとつは「血管収縮薬」が入っているもの。これは即効性があって「鼻の通りがすぐに良くなる」という感覚があります。でも使い続けると鼻の粘膜が依存状態になってしまい、逆に鼻づまりがひどくなる「薬剤性鼻炎」という状態に陥ることがあります。市販の点鼻薬の多くがこのタイプなので、連続使用は1週間程度に留めておくのが原則です。
もうひとつが「ステロイド点鼻薬」です。これが花粉症に最も効果的と言われていて、花粉シーズン中は毎日使うことで鼻の炎症を継続的に抑えることができます。「ステロイドって副作用が心配じゃないですか?」と患者さんによく聞かれます。でも点鼻薬は全身への吸収量がごくわずかなので、内服のステロイドとは全く別物として考えていただいて大丈夫です。正しく使えば非常に安全で効果の高い薬です。
ステロイド点鼻薬の正しい使い方のポイントは、 ①使う前に鼻をかんで鼻腔を清潔にしておく ②ノズルを少し斜め外側(鼻の外側の壁)に向けて噴霧する(鼻中隔を傷つけないように) ③噴霧後はすぐに鼻をかまない の3点です。
点眼薬は「抗アレルギー点眼薬」が基本です。使うタイミングは「目がかゆくなる前から」が理想的です。目をこすってしまいがちですが、こすると症状がひどくなってしまいます。かゆいときは「冷やした目薬を入れる」「冷やしたタオルで目を覆う」という方法がかゆみを和らげるのに有効です。
舌下免疫療法——根本から治す可能性がある治療
「花粉症を根本から治したい」という方に知っておいていただきたいのが「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」です。僕は個人的にこの治療にとても期待しています。
舌下免疫療法とは、花粉のエキスをほんの少量ずつ、毎日舌の下に置いて溶かすことで、からだを「花粉に慣れさせる」治療です。体の免疫反応を「再プログラム」するイメージでしょうか。根本的な体質改善を目指すものなので、薬のように「飲んだらすぐ楽になる」というものではありません。
僕のクリニックでもこの治療を提供していますが、患者さんに必ず伝えることがあります。 ①効果が出るまでに少なくとも3〜6ヶ月かかること ②継続期間は3〜5年が目安であること ③すべての方に効くわけではないが、有効率は70〜80%程度と言われていること ——この3点です。
実際に「ここ3年、ほとんど薬を飲まなくても花粉シーズンを乗り越えられるようになりました」という患者さんの声を聞くと、本当にうれしいのです。スギ花粉の舌下免疫療法薬は現在保険適用になっているので、費用面でも始めやすい治療です(だいたい月に1000〜2000円程度の負担)。
ただ、治療を開始できる時期が「花粉シーズン以外」に限られています。花粉が飛んでいる時期に開始すると反応が強く出るリスクがあるためです。ご希望の方は5月以降の花粉シーズンが落ち着いた頃にご相談いただくのが理想的です。「今年の花粉シーズンが終わったらすぐに始めたい」という方は、梅雨明け頃を目安にご来院ください。
花粉飛散の多い日の過ごし方と予防策
「花粉症だから外出したくない」という方がいますが、完全に引きこもることは現実的ではありません。上手に花粉と付き合う工夫が大切です。
花粉の飛散量が多い日の特徴として覚えておいてほしいのが、「晴れていて風が強い日」と「雨の翌日(地面に落ちた花粉が舞い上がる)」です。また、気温が高い日も花粉の放出が増えます。花粉情報は天気予報アプリや環境省の「花粉観測システム(はなこさん)」でリアルタイムで確認できます。
飛散量が多い日は、できれば午前中(特に午前10〜14時がピーク帯になりやすい)の外出を避けて、午後の早い時間帯に活動するのも一つの手です。
外出時の対策として、まずマスクです。一般的なサージカルマスクでも正しく着用すれば、花粉の吸入量を40〜60%程度カットできます。眼鏡やゴーグル型のアイウェアも、目への花粉の付着を防ぐ効果があります。
帰宅時の習慣も大事です。玄関に入る前に衣服についた花粉を払う、洗顔・うがいをする——これだけでもだいぶ違います。洗濯物は外干しより乾燥機や室内干しにすることも、室内への花粉の持ち込みを減らすのに効果的です。
室内の対策として、空気清浄機の設置も効果的です。フィルター付きの空気清浄機は花粉を効率よくキャッチしてくれます。帰宅後すぐに換気を止めて空気清浄機をつけるのが理想的な使い方です。
食事・腸活で花粉症は和らぐのか
「食事で花粉症が改善できるって本当ですか?」とよく聞かれます。完全に治るわけではないのですが、腸内環境を整えることで免疫バランスが改善され、アレルギー症状が和らぐという研究が蓄積されつつあります。
からだの免疫細胞のおよそ70%は腸に集中していると言われています。腸内の「善玉菌」と「悪玉菌」のバランスが崩れると、免疫系がアンバランスになり、アレルギー反応が起きやすくなる可能性があるわけです。「腸と免疫は繋がっている」——これは医学的にも注目されているテーマです。
そこで日々の食事で意識してほしいのが、 ①発酵食品(ヨーグルト・納豆・味噌・ぬか漬けなど)でビフィズス菌・乳酸菌を補う ②食物繊維(野菜・海藻・きのこ・豆類)で腸内の善玉菌のエサを増やす ③オメガ3系脂肪酸(青魚・亜麻仁油・くるみなど)で炎症を抑える働きを助ける の3点です。
逆に「腸内環境を乱す」食生活——脂っこいものばかり、アルコールの多飲、加工食品やファストフード中心——は花粉症の症状を悪化させる可能性があります。「花粉症と食事は関係ないのでは?」と思っていた方も、この機会に見直してみてほしいのです。
また、ビタミンDが花粉症の症状を和らげる可能性についての研究もあります。魚や日光を浴びることでビタミンDを補うのも、長期的には意味があるかもしれません。ただ、食事だけで劇的に症状が変わるというよりは、「薬の治療と生活習慣の改善をセットで考える」という考え方が現実的です。
子どもの花粉症——親御さんに知っておいてほしいこと
「うちの子、最近鼻をずるずるしているんですが、花粉症でしょうか?」という相談も増えています。子どもの花粉症は確実に増加していて、近年では2〜3歳で発症するケースも報告されるほどです。
子どもの花粉症で注意してほしいのが「風邪と花粉症の見分けが難しい」という点です。風邪の場合は発熱を伴うことが多く、鼻水が透明から黄色、緑色へと変化する傾向があります。花粉症の場合は熱はなく、毎年同じ時期に透明な鼻水とくしゃみが続くのが特徴です。「毎年この季節だけ症状が出る」というパターンがあれば、花粉症を疑ってみてください。
子どもの治療でよく心配されるのが「薬の副作用」です。眠気が出やすい薬を使うと、学校での集中力や成績への影響を心配される親御さんも多いです。でも現在は子どもに使える「眠気が出にくい第2世代抗ヒスタミン薬」も選択肢にあります。年齢や症状に合わせて、一緒に考えていきたいと思います。
舌下免疫療法は5歳以上から適用となります。「早いうちに根本的な体質改善を」と希望される親御さんも多く、実際に長期的に見ると非常に有望な治療法だと思います。特に受験を控えているお子さんや、スポーツで活発に活動しているお子さんには、早めの対策をおすすめしています。
大事なのは「子どもだから仕方ない」「まだ小さいから様子を見よう」と放置しないことです。花粉症は適切に治療すれば、学校生活の質が大きく変わります。症状が気になったら、ぜひ一緒に相談しに来てください。
よくある質問(FAQ)
花粉症 よくある質問①:大人になってから突然花粉症になることがありますか?
はい、あります。花粉症は子ども時代に発症するとは限らず、30代・40代になって突然発症するケースも珍しくありません。「今まで何ともなかったのに」という方でも、花粉への累積暴露量が一定ラインを超えると「コップの水があふれる」ように症状が出始めるのです。
花粉症 よくある質問②:毎年薬を飲んでも花粉症が治らないのはなぜですか?
薬物療法は「症状を抑える」ことが目的であって、「花粉症そのものを治す」ものではないからです。毎年症状が出るのは花粉症の体質が変わっていないためです。体質から変えたいのであれば、舌下免疫療法という選択肢を検討してみてください。
花粉症 よくある質問③:妊娠中でも花粉症の薬を飲んでいいですか?
妊娠中は使える薬が限られます。妊娠中に比較的安全とされている薬はありますが、必ず産婦人科や内科の医師に相談してから服用してください。自己判断で市販薬を使うのは避けていただきたいです。点鼻薬や点眼薬は全身への影響が少ないので、比較的使いやすい場合があります。
花粉症 よくある質問④:花粉症とコロナや風邪の症状はどうやって見分けますか?
花粉症の場合は、①熱が出ない、②鼻水は透明でサラサラ、③毎年同じ時期に症状が出る、④目のかゆみを伴うことが多い、という特徴があります。発熱がある場合はコロナや風邪を疑ってください。ただし、花粉症の方でも感染症にかかることはあるので、発熱があれば必ず受診してください。
花粉症 よくある質問⑤:花粉症の症状が特に朝ひどいのはなぜですか?
朝の花粉症の悪化には2つの理由があります。ひとつは「起床後の体位変換」で、横になっていた姿勢から起き上がることで鼻の粘膜の血流が変化し、鼻づまりが一時的に悪化します。もうひとつは「朝方の花粉飛散」です。朝7〜10時は花粉の飛散量が多くなる時間帯です。これが重なって朝のくしゃみや鼻水がひどくなるわけです。
花粉症 よくある質問⑥:マスクをしていても症状が出るのはなぜですか?
マスクは花粉を完全にシャットアウトするものではなく、吸入量を減らすものです。また、目からも花粉は侵入します。マスクをしても目への花粉暴露は防げないため、目の症状が出ることがあります。眼鏡やゴーグル型アイウェアと組み合わせることで、目への花粉暴露も減らすことができます。
花粉症 よくある質問⑦:花粉症があると風邪をひきやすくなりますか?
直接的に「風邪をひきやすくなる」とは言いにくいですが、花粉症で鼻づまりが続くと「口呼吸」になりがちです。口呼吸は鼻呼吸よりも乾燥した空気が直接のどに入るため、感染リスクが高まる可能性があります。また、慢性的な炎症やストレスで体力が消耗することも関係しているかもしれません。
花粉症 よくある質問⑧:お酒(アルコール)は花粉症を悪化させますか?
悪化させる可能性があります。アルコールは血管を拡張させる作用があり、鼻の粘膜の血流が増えることで鼻づまりが悪化しやすくなります。また、アルコールの代謝物がヒスタミンの放出を促すという研究もあります。花粉シーズン中は「飲みすぎ注意」というよりは「少し控えめにする」くらいの意識を持っていただくといいかもしれません。
花粉症のことを書いていたら、外来での患者さんたちの顔が次々と浮かんできました。「やっと症状が楽になりました」という笑顔を見るたびに、正しい知識と適切な治療がどれだけ大切かを改めて感じます。
「毎年つらいけど仕方ない」と諦めてほしくないのです。花粉症は適切に対処すれば、かなり症状を抑えることができます。薬の選び方、使い方、生活上の工夫——どれも一つ一つは小さいことですが、積み重ねることで大きな差が生まれます。
この記事を読んで「自分ももう少し対策できるかな」と思ってもらえたら、とてもうれしいです。花粉症のことで気になることがあれば、いつでも気軽にクリニックへ来てください。みなさん一緒に、この花粉シーズンを乗り越えていきましょう。
医療法人丸岡医院 理事 丸岡悠
