サルモネラ属菌(Salmonella)とは、腸チフスやパラチフス、非チフス性サルモネラ症といった深刻な病気を起こす細菌のことです。
汚れた食べ物や飲み物を通じて体内に入り込み、お腹の痛みや熱、下痢などの症状を引き起こします。
非チフス性サルモネラ症は、胃腸炎型、菌血症型、局所感染型の3つに分けられ、それぞれ違う症状や重さを示すことがあります。
サルモネラ属菌の種類(病型)
サルモネラ属菌は、腸チフス、パラチフス、非チフス性サルモネラ症という3つの主要な病型に分類されます。
腸チフスとパラチフス
腸チフスとパラチフスは、サルモネラ属菌のうち、特に深刻な全身感染を引き起こす病型です。
腸チフスの原因菌はサルモネラ・タイフィ(Salmonella Typhi)で、パラチフスの原因菌はサルモネラ・パラタイフィ(Salmonella Paratyphi)A型、B型、C型です。
人間のみを宿主とする特徴があり、人から人への感染が主な伝播経路となります。
病型 | 原因菌 |
腸チフス | サルモネラ・タイフィ |
パラチフスA | サルモネラ・パラタイフィA |
パラチフスB | サルモネラ・パラタイフィB |
パラチフスC | サルモネラ・パラタイフィC |
先進国では比較的珍しい疾患ですが、海外渡航者が現地で感染し、帰国後に発症するケースが見られます。
非チフス性サルモネラ症
非チフス性サルモネラ症は、腸チフスやパラチフス以外のサルモネラ属菌による感染症の総称です。
この病型は、さらに胃腸炎型、菌血症型、局所感染型の3つのサブタイプに分類されます。
- 胃腸炎型:
- 最も一般的な非チフス性サルモネラ症
- 主に食中毒の形で発生
- 汚染された食品や水を介して感染
- 菌血症型:
- 菌が血液中に侵入して全身に広がる
- 免疫機能が低下している人や高齢者、乳幼児でリスクが高い
- 局所感染型:
- 特定の臓器や組織に限局した感染
- 髄膜炎、骨髄炎、関節炎などの形で現れる場合がある
サブタイプ | 特徴 |
胃腸炎型 | 食中毒様症状 |
菌血症型 | 全身感染 |
局所感染型 | 特定部位の感染 |
非チフス性サルモネラ症の原因菌は、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella Enteritidis)やサルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella Typhimurium)などです。
これらの菌は、人間以外の動物にも感染し、鶏卵や鶏肉、牛肉、豚肉などの畜産物を介して人間に感染します。
サルモネラ属菌の主な症状
サルモネラ感染症は、病型によってさまざまな症状を引き起こし、症状の程度も人それぞれです。
腸チフスの症状
腸チフスは、サルモネラ菌の中でも特に危険な感染症です。
38~40℃の高熱が1~2週間続き、頭痛、倦怠感、食欲がなくなったりします。
さらに、腹痛、便秘(時には下痢になることも)、脈が遅くなったり、胸や腹に薄いピンク色の斑点(バラ疹)が出たりするのも特徴的な症状です。
症状がひどくなると、意識がもうろうとし、腸から出血したり、腸に穴が開いたりするなど、命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。
パラチフスの症状
パラチフスは、腸チフスに似た症状が出ますが、それほどひどくならないことが多いです。
主な症状としては、高熱が続いたり、頭や筋肉が痛くなったり、お腹が痛くなったり、下痢をしたりします。
腸チフスと同じように、バラ疹が出ることもありますが、腸チフスほど頻繁には見られません。
症状 | 腸チフス | パラチフス |
発熱 | 38~40℃ | 38~39℃ |
持続期間 | 1~2週間 | 1~2週間 |
バラ疹 | 高頻度 | 低頻度 |
重症度 | 高い | やや低い |
非チフス性サルモネラ症の症状
非チフス性サルモネラ症は、さらに3つのタイプに分かれ、それぞれ異なる症状が現れます。
- 胃腸炎型:
- 最もよく見られるタイプで、食中毒の主な原因。
- 主な症状は、急な下痢、腹痛、発熱、吐き気、嘔吐など。
- 通常、3~7日ほどで自然に良くなりますが、水分が足りなくならないよう注意が必要。
- 菌血症型:
- 血液の中に菌が入り込み、全身に広がるタイプ。
- 高い熱が出たり、寒気がしたり、頭や筋肉が痛くなったりするなど、体全体に症状が現れる。
- 体の弱い人や高齢の方、小さな子供さんは症状がひどくなりやすい。
- 局所感染型:
- 体の特定の部分だけに感染が起こるタイプ。
- 熱が出たり、感染した部分の痛みや腫れ。
- 骨の髄に炎症が起きたり、脳の膜に炎症が起きたり、肺炎になったりすることも。
非チフス性サルモネラ症のタイプ | 主な症状 |
胃腸炎型 | 下痢、腹痛、発熱 |
菌血症型 | 高熱、寒気、全身症状 |
局所感染型 | 発熱、局所の痛み・腫れ |
サルモネラ属菌の原因・感染経路
サルモネラ属菌による感染症は、主に汚染された食品や水の摂取、感染した動物との接触、さらには人から人への伝播によって起こります。
サルモネラ属菌の特徴と生態
サルモネラ属菌は、グラム陰性の桿菌で、自然界に広く分布しており、環境中での生存能力が高く、長期間生き続けることが可能です。
サルモネラ属菌は、2,600種以上の血清型に分類され、そのうち約1,500種が人間に感染します。
特徴 | 詳細 |
分類 | グラム陰性桿菌 |
血清型 | 2,600種以上 |
人間感染型 | 約1,500種 |
サルモネラ属菌は、多くの動物の腸管内に常在菌として存在し、特に家畜や家禽類が保菌動物です。
食品を介した感染
食品を介した感染は、サルモネラ症の最も一般的な感染経路です。
主な感染源となる食品
- 鶏卵や卵製品
- 鶏肉、牛肉、豚肉などの畜産物
- 生野菜や果物
- 乳製品
- 調理済み食品
食品がサルモネラ属菌に汚染された際、十分な加熱処理を行わずに摂取することで感染リスクが高まります。
特に、生卵や半熟卵、生肉や加熱不十分な肉製品は、高リスク食品です。
高リスク食品 | 感染リスク |
生卵・半熟卵 | 高 |
生肉・加熱不十分な肉 | 高 |
十分加熱された食品 | 低 |
環境を介した感染
サルモネラ属菌は、環境中でも一定期間生存できるため、汚染された水や土壌を介して感染することがあります。
また、ペットや家畜との接触も感染経路となる可能性があり、特に爬虫類や両生類は高率にサルモネラ属菌を保有しているため注意が必要です。
人から人への感染
医療機関や保育施設などの集団生活の場では、感染者の糞便を介した二次感染に注意してください。
また、無症状の保菌者が感染源となることもあり、食品取扱者が保菌者である場合、大規模な食中毒事例につながる可能性があります。
診察(検査)と診断
サルモネラ菌感染症の診断には、詳しい聞き取り、体の診察、そして検査を組み合わせて総合的に判断します。
問診と身体診察
患者さんの症状やいつ頃から具合が悪くなったか、最近食べた物、海外に行ったかなどを細かく聞くことが大切です。
体の診察では、熱があるか、お腹を押すと痛いか、脾臓が腫れていないか、バラ疹と呼ばれる発疹がないかなどを確認します。
血液検査
一般的な血液検査では、白血球の数が変わっていないか、炎症を示す物質が増えていないかを調べ、特に、CRP(C反応性タンパク)という物質が増えていると、感染の可能性が高いです。
また、肝臓の働きや体内の塩分バランスを調べる検査も行われ、体全体の状態を知るのに役立ちます。
検査項目 | 主な確認ポイント |
白血球数 | 感染による増加 |
CRP | 炎症の程度 |
肝機能 | 肝臓への影響 |
電解質 | 脱水の程度 |
便培養検査
便培養検査は、サルモネラ菌感染症を確実に診断するのに最も大切な検査です。
患者さんの便を特別な環境で育て、サルモネラ菌がいるかどうかを確かめます。
血液培養検査
血液培養検査は、症状が重い時や菌が血液に入っている疑いがある時に行います。
血液から菌が見つかった場合は、体全体に感染が広がっている可能性があるので、より慎重な対応が必要です。
培養検査 | 主な目的 |
便培養 | 腸の中のサルモネラ菌を見つける |
血液培養 | 血液の中のサルモネラ菌を見つける |
血清学的検査
血清学的検査は、患者さんの血液の中にサルモネラ菌と戦う抗体があるかどうかを調べる方法です。
主にWidal反応という検査が使われ、O抗原とH抗原という2種類の抗体の量を測ります。
この検査は、特に腸チフスやパラチフスを見つけるのに役立ちますが、結果を正しく理解するには注意が必要です。
気を付ける点
- 過去に感染したことがある場合や予防接種を受けた場合に、誤って陽性と判断される可能性
- 病気になったばかりの時期に、誤って陰性と判断される可能性
- 地域によって正常値が違う点
その他の検査
- PCR検査:遺伝子を調べてサルモネラ菌を見つける、敏感な検査方法です。
- 画像診断:お腹のエコーやCTスキャンを使って、腸が腫れていないか、他の問題がないかを確認します。
- 腸の組織検査:症状が重い場合や診断が難しい場合に行うことがあります。
サルモネラ属菌の治療法と処方薬、治療期間
サルモネラ属菌感染症の治療は、病型や重症度に応じて抗菌薬療法と対症療法を組み合わせて行われ、治療により多くのケースで完治が期待できます。
サルモネラ感染症の治療方針
軽症の非チフス性サルモネラ症(胃腸炎型)では、抗菌薬を使用せず、対症療法が中心で、重症例や合併症リスクの高い患者さんでは抗菌薬療法が必要です。
一方、腸チフスやパラチフスでは、ほぼすべてのケースで抗菌薬療法を行います。
病型 | 主な治療方針 |
非チフス性サルモネラ症(軽症) | 対症療法中心 |
非チフス性サルモネラ症(重症) | 抗菌薬療法 + 対症療法 |
腸チフス・パラチフス | 抗菌薬療法 + 対症療法 |
抗菌薬療法
サルモネラ感染症の抗菌薬療法で使用される薬剤
- フルオロキノロン系抗菌薬(シプロフロキサシンなど)
- 第三世代セファロスポリン系抗菌薬(セフトリアキソンなど)
- アジスロマイシン
- アンピシリン
- クロラムフェニコール(耐性菌の増加により使用頻度は減少)
抗菌薬の選択は、各地域の薬剤耐性パターンや患者さんの状態を考慮して行われます。
抗菌薬 | 主な使用対象 |
フルオロキノロン系 | 成人の腸チフス、重症非チフス性サルモネラ症 |
第三世代セファロスポリン系 | 小児・妊婦の腸チフス、薬剤耐性例 |
アジスロマイシン | 軽症~中等症の腸チフス、薬剤耐性例 |
投与期間は、非チフス性サルモネラ症では5~7日間、腸チフス・パラチフスでは10~14日間です。
対症療法
対症療法は、患者さんの症状をやわらげ、全身状態を改善するために行われます。
主な対症療法
- 水分・電解質補充:下痢や嘔吐による脱水を防ぐため、経口または静脈内で水分と電解質を補給。
- 解熱剤:高熱時にはアセトアミノフェンなどの解熱剤を使用。
- 整腸剤:腸内環境を整えるために、プロバイオティクスなどの整腸剤を使用。
- 制吐剤:強い嘔吐がある際には制吐剤を使用。
入院管理と隔離
重症例や合併症リスクの高い、特に腸チフス・パラチフスの患者さんでは、入院管理が必要です。
入院中は、栄養管理や輸液療法、厳密な症状モニタリングが行われ、また、感染拡大防止のため、隔離措置が取られます。
治療経過と経過観察
治療により1~2週間程度で症状の改善が見られますが、完全な回復までにはさらに時間を要し、腸チフス・パラチフスでは、数週間から数か月にわたる経過観察が必要です。
予後と再発可能性および予防
サルモネラ感染症からの回復は一般的に良好ですが、再び感染する危険性や合併症の可能性があるため、対応と予防が欠かせません。
非チフス性サルモネラ症の予後
非チフス性サルモネラ症は、健康な大人では症状が1週間ほどで良くなり、長く続く影響を残さずに回復します。
ただし、お年寄りや体の抵抗力が弱っている人、赤ちゃんなどでは、症状が重くなったり他の病気を引き起こしたりする危険性が高くなる可能性も。
患者群 | 予後 |
健康な成人 | 良好 |
高齢者・免疫不全者 | 要注意 |
乳幼児 | 要注意 |
腸チフス・パラチフスの予後
腸チフスやパラチフスは、正しい対応を受けた場合、多くの患者さんは2~4週間で回復しますが、他の病気が併発するリスクや長く続く影響には注意が必要です。
特に、腸に穴が開いたり腸から出血したりするような重い合併症が起きた場合、回復の見通しに大きな影響を与えることがあります。
再発のリスクと管理
サルモネラ感染症は、胆のうの中に菌が残っている時や、長期間菌を持ち続ける人になった時に再び感染する可能性が高くなります。
再び感染するのを防ぐために気を付ける点
- 完全に症状がなくなるまでしっかり休む
- 医師の指示通りに、処方された薬を最後まで飲む
- 定期的に検査を受け、菌が出ていないか確認する
- 清潔を保ち、他の人に感染させないようにする
再発リスク要因 | 対策 |
胆のう内菌残存 | 定期検査 |
慢性保菌状態 | 衛生管理 |
長期的な影響と合併症
サルモネラ感染症のほとんどは完全に治りますが、一部の患者さんでは長く続く影響や他の病気が現れることがあります。
特に注意が必要な合併症
- 反応性関節炎:感染した後に関節が痛くなったり腫れたりする
- 心内膜炎:心臓の内側の膜に炎症が起こる
- 慢性胆のう炎:胆のうに長く続く炎症が起こる
- 腸管外感染:腸以外の臓器に感染が広がる
予防策の重要性
サルモネラ感染症の効果的な予防方法
- 手洗いをしっかりする:特に料理の前、食事の前、トイレを使った後は必ず行う
- 食べ物をよく加熱する:特に肉類や卵は中まで十分に熱を通す
- 生水や殺菌していない乳製品を避ける:特に海外旅行の時は気をつける
- 調理道具を清潔に保つ:まな板や包丁は使った後によく洗い、消毒する
- 冷蔵・冷凍を正しく管理する:食べ物は正しい温度で保存する
サルモネラ属菌の治療における副作用やリスク
サルモネラ属菌感染症の治療では、抗菌薬の使用が効果的ですが、副作用やリスクを伴います。
抗菌薬療法に伴う一般的な副作用
サルモネラ感染症の治療に用いられる抗菌薬は、他の感染症治療と同様に、さまざまな副作用を引き起こす可能性があります。
一般的な副作用
- 消化器症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛)
- 皮膚症状(発疹、掻痒感)
- 頭痛
- めまい
- 疲労感
副作用の多くは軽度で一時的なものです。
副作用 | 頻度 | 重症度 |
消化器症状 | 高 | 軽度~中等度 |
皮膚症状 | 中 | 軽度 |
頭痛 | 中 | 軽度 |
めまい | 低 | 軽度~中等度 |
特定の抗菌薬に関連するリスク
サルモネラ感染症の治療に使用される特定の抗菌薬には、それぞれ独自のリスクがあります。
フルオロキノロン系抗菌薬(シプロフロキサシンなど):
- 腱障害(特にアキレス腱断裂)のリスク
- 中枢神経系への影響(不安、混乱、幻覚など)
- QT間隔(心室興奮の始まりから興奮が消退するまでの時間)の延長
第三世代セファロスポリン系抗菌薬(セフトリアキソンなど):
- 胆石形成のリスク
- 過敏症反応(アナフィラキシーを含む)
アジスロマイシン:
- 肝機能障害
- QT間隔延長
これらのリスクは、患者さんの年齢、基礎疾患、併用薬などの要因によって増大する可能性があります。
抗菌薬 | 主なリスク |
フルオロキノロン系 | 腱障害、中枢神経系影響 |
セファロスポリン系 | 胆石形成、過敏症反応 |
アジスロマイシン | 肝機能障害、QT間隔延長 |
抗菌薬耐性菌の出現リスク
サルモネラ感染症の治療における大きな課題の一つは、抗菌薬耐性菌の出現リスクです。
抗菌薬の乱用(不必要な使用、不適切な用量、治療期間の不遵守など)は、耐性菌の選択圧を高め、治療抵抗性の感染症を引き起こす可能性があります。
耐性菌出現のリスクが高まる状況
- 広域スペクトラム抗菌薬の不適切な使用
- 抗菌薬の長期使用
- 不十分な用量での投与
- 患者のコンプライアンス不良
免疫反応への影響
抗菌薬療法は、サルモネラ菌を直接攻撃する一方で、宿主の免疫反応にも影響を与える可能性があります。
腸内細菌叢の撹乱がもたらす影響
- 二次感染のリスク増加
- 腸管免疫機能の一時的な低下
- 腸内細菌叢の多様性減少による長期的な健康影響
これらの影響は、特に小児や高齢者、免疫不全患者さんにおいて顕著です。
治療費について
実際の治療費(医療費)が以下説明より高額になるケースが多々ございます。以下記載内容について当院では一切の責任を負いかねます事を予めご了承下さい。
外来治療の費用内訳
初診料は2,880円、再診料は730円で、検査費用は、便培養検査が3,000円程度、血液検査が5,000円前後です。
入院治療の費用
入院費は1日あたり約20,000円で、平均7日間の入院で140,000円程度になります。
費用項目 | 金額(円) |
初診料 | 2,880 |
再診料 | 730 |
便培養検査 | 3,000 |
血液検査 | 5,000 |
重症化した場合の追加費用
合併症が発生した場合、CT検査(15,000円程度)や追加の処置が必要になることがあります。
以上
Coburn B, Grassl GA, Finlay BB. Salmonella, the host and disease: a brief review. Immunology and cell biology. 2007 Feb;85(2):112-8.
Ohl ME, Miller SI. Salmonella: a model for bacterial pathogenesis. Annual review of medicine. 2001 Feb;52(1):259-74.
Brenner FW, Villar RG, Angulo FJ, Tauxe R, Swaminathan B. Salmonella nomenclature. Journal of clinical microbiology. 2000 Jul 1;38(7):2465-7.
Gast RK, Porter Jr RE. Salmonella infections. Diseases of poultry. 2020 Jan 13:717-53.
Tauxe RV. Salmonella: a postmodern pathogen. Journal of food protection. 1991 Jul 1;54(7):563-8.
Grimont, Patrick AD, Francine Grimont, and Philippe Bouvet. “Taxonomy of the genus Salmonella.” (2000): 1-17.
Barrow PA. Salmonella control—past, present and future. Avian Pathology. 1993 Dec 1;22(4):651-69.
Bornstein S. The state of the Salmonella problem. The journal of immunology. 1943 Jun 1;46(6):439-96.
Li H, Wang H, D’Aoust JY, Maurer J. Salmonella species. Food microbiology: fundamentals and frontiers. 2012 Dec 28:223-61.
Su L, Chiu CH. Salmonella: clinical importance and evolution of nomenclature. Chang Gung medical journal. 2007 May 1;30(3):210.