急性リンパ性白血病(ALL) – 血液疾患

急性リンパ性白血病(ALL)(acute lymphoblastic leukemia)とは、骨髄で異常なリンパ球が急速に増殖する血液のがんです。

この疾患では、未熟なリンパ球が正常に成熟できずに異常増殖し、健康な血液細胞の生成を阻害します。

ALLは幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症しますが、とりわけ小児期に多く見られる血液疾患です。

症状として発熱、極度の疲労感、貧血、出血しやすくなる傾向、感染症にかかりやすくなることが挙げられます。

この記事を書いた人
丸岡 悠(まるおか ゆう)
丸岡 悠(まるおか ゆう)
外科医

1988年山形県酒田市生まれ。酒田南高校卒業後、獨協医科大学(栃木)にて医師免許取得。沖縄県立北部病院、独立行政法人日本海総合病院を経て現職(医療法人丸岡医院)。

急性リンパ性白血病(ALL)の種類(病型)

急性リンパ性白血病(ALL)は、主にBリンパ芽球性白血病とTリンパ芽球性白血病の2つの病型に分類されます。

Bリンパ芽球性白血病

Bリンパ芽球性白血病は、ALLの中で最も頻繁に見られる病型です。

この型の白血病は、B細胞系列のリンパ球前駆細胞(B細胞になる前の未熟な細胞)から発生します。

従来リンパ球前駆細胞は正常に成熟して抗体を産生しますが、白血病化することで本来の機能を失ってしまうのです。

Bリンパ芽球性白血病は、さらにいくつかのサブタイプに分類されます。

サブタイプ特徴発症頻度
前B細胞型最も一般的なサブタイプ約70%
早期前B細胞型より未熟な段階の細胞が起源約10%
成熟B細胞型比較的まれなサブタイプ約2-3%

サブタイプは、白血病細胞の分化段階や特定の遺伝子変異の有無によって区別されます。

Tリンパ芽球性白血病

Tリンパ芽球性白血病は、T細胞系列のリンパ球前駆細胞(T細胞になる前の未熟な細胞)から発生する白血病です。

Bリンパ芽球性白血病と比較すると発症頻度が低く、独特の臨床的特徴を持っています。

Tリンパ芽球性白血病は、全ALLの約15-25%を占めており、思春期や若年成人に多く見られます。

Tリンパ芽球性白血病の特徴

  • 若年男性に多く見られる傾向
  • 縦隔腫瘤(胸部の中央にある腫瘤)の形成が多い
  • 中枢神経系浸潤のリスクが高い
  • 白血球数が著しく増加することがある

遺伝子異常と病型の関連

ALLの各病型では、特定の遺伝子異常が見られます。

病型関連する主な遺伝子異常臨床的意義
Bリンパ芽球性白血病BCR-ABL1、MLL再構成予後不良因子、特異的治療の対象
Tリンパ芽球性白血病NOTCH1変異、TAL1過剰発現予後予測、新規治療標的

遺伝子検査の結果は、それぞれの患者さんに対する治療方針の決定や予後予測に役立ちます。

急性リンパ性白血病(ALL)の主な症状

急性リンパ性白血病(ALL)の症状は、骨髄機能不全による貧血、感染症、出血傾向と、白血病細胞の浸潤による臓器腫大や骨痛です。

骨髄機能不全による症状

ALLでは正常な血液細胞の産生が阻害されいろいろな症状が出現します。これは、白血病細胞が骨髄で異常増殖し、正常な造血を抑制するためです。

貧血による症状

  • 顔色不良
  • 易疲労感
  • 労作時呼吸困難
  • 立ちくらみ

貧血の症状は、赤血球数減少による組織への酸素供給不足によります。

また、感染症のリスク上昇は好中球を主とする白血球数の減少が、 出血傾向は血小板数の減少が原因です。

感染症の症状頻度特徴
発熱高頻度38℃以上の持続性発熱
咳嗽中等度遷延性、時に喀痰を伴う
尿路感染中等度排尿時痛、頻尿

白血病細胞の浸潤による症状

白血病細胞が各種臓器に浸潤することで、白血病細胞が血流を介して全身に広がり各臓器で増殖するため、いつかの症状が起こります。

浸潤部位症状臨床的特徴
リンパ節腫脹無痛性、可動性のある腫瘤として触知
肝臓・脾臓腹部膨満肝脾腫による腹部膨隆
骨痛特に長管骨や脊椎に好発

小児ALLでは骨痛が初発症状で、「下肢痛」「歩行困難」といった訴えがALLの初期徴候である場合があります。

中枢神経系症状

ALLでは、白血病細胞が血液脳関門を通過し、中枢神経系に浸潤することがあります。

現れる神経学的症状

  • 頭痛(持続性、進行性)
  • 嘔吐(中枢性、食事と無関係)
  • 視力障害(視力低下、複視)
  • 痙攣(局所性または全般性)

全身症状

ALLでは全身に影響を及ぼす症状も生じ、これは、白血病細胞の全身への拡散と、拡散に伴う代謝異常や免疫反応によるものです。

代表的な全身症状

  • 発熱(原因不明の持続性発熱)
  • 寝汗(夜間発汗)
  • 体重減少(非意図的な体重減少)
  • 食欲不振(摂食量の減少)

症状は、白血病細胞が産生するサイトカインや、体の免疫反応によって起こります。

急性リンパ性白血病(ALL)の原因

急性リンパ性白血病(ALL)の原因は、複数の遺伝子変異や環境因子が絡み合って発症します。

遺伝子変異

遺伝子変異は、細胞の正常な増殖や分化を制御する遺伝子に影響を与え、白血病細胞の異常な増殖をもたらします。

変異の種類影響具体例
染色体転座遺伝子の機能変化フィラデルフィア染色体
点突然変異タンパク質の異常RAS遺伝子の変異
遺伝子欠失腫瘍抑制遺伝子の機能喪失p53遺伝子の欠失

遺伝子変異は、単独ではなく複数の変異が段階的に蓄積することで、ALLの発症リスクを高めます。

環境因子

遺伝子変異に加えて、環境因子もALLの発症に関与しています。

環境要因

  • 電離放射線への暴露
  • 特定の化学物質(ベンゼンなど)
  • 特定のウイルス感染(HTLV-1など)

環境因子はDNAに直接的な損傷を与えたり、免疫系の機能を低下させたりすることで、白血病の発症リスクを高めるのです。

遺伝的素因と家族歴

一部のALL患者さんでは、遺伝的素因が発症に関係しています。

特定の遺伝性疾患や染色体異常を持つ個人では、ALLの発症リスクが高いです。

遺伝性疾患ALLリスク特徴
ダウン症候群20倍増加21番染色体が3本ある
ブルーム症候群高リスクDNA修復機能の異常
ファンコニ貧血リスク上昇染色体不安定性がある

ALLの家族歴があると発症リスクが若干増加しますが、大多数のALL患者さんでは明確な家族歴は認められません。

免疫系の関与

免疫系の機能不全もALLの発症に関与している可能性があります。

正常な免疫系は、異常な細胞を認識し排除していますが、この機能が低下すると、白血病細胞の増殖を許してしまいます。

特に、先天性免疫不全症候群や後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者さんは、ALLを含む血液悪性腫瘍のリスクが高いです。

診察(検査)と診断

急性リンパ性白血病(ALL)の診断は、患者さんの症状や身体所見の確認から始まり、血液検査、骨髄検査、さらには最新の遺伝子検査などの複数の段階を経て確定されます。

初期診察と臨床診断

ALLの診断では、患者さんの全身状態を観察し、ALLを示唆する兆候がないかを確認します。

注目して診察する点

  • 顔色や皮膚の状態(貧血による蒼白さや血小板減少による出血斑の有無)
  • リンパ節(首、脇の下、そけい部などにある小さな豆のような組織)の腫れ
  • 肝臓や脾臓(お腹の中にある臓器)の腫大
  • 発熱の有無と程度、その持続期間
  • 全身の倦怠感や体重減少の程度、日常生活への影響

ただし、これらの症状は他の疾患でも見られることがあるため、この段階ではALLの可能性を疑うにとどまります。

診察項目確認ポイント臨床的意義
視診顔色、皮膚の状態貧血や出血傾向の評価
触診リンパ節、肝臓、脾臓の腫大白血病細胞の蓄積の間接的評価
問診発熱、倦怠感、体重減少全身状態と病態の進行度の評価

血液検査

臨床診断の次の段階として、血液検査が実施されます。

ALLが疑われる場合、以下の検査項目が重要です。

  • 全血球計算(CBC)血液中の赤血球、白血球、血小板の数を正確に測定し、それぞれの細胞の増減を確認。
  • 末梢血塗抹標本顕微鏡で血液細胞を直接観察し、異常な白血球の存在や形態を詳しく確認。
  • 生化学検査肝機能や腎機能、電解質バランスを評価し、全身の状態を把握。

白血球数の著しい増加や、未熟な白血球(芽球)の末梢血中での出現は、ALLを強く示唆する所見です。

検査項目確認ポイントALLにおける典型的な所見
全血球計算白血球数、赤血球数、血小板数白血球増多、貧血、血小板減少
末梢血塗抹標本白血球の形態、芽球の有無未熟な白血球(芽球)の出現
生化学検査肝機能、腎機能、LDH値LDH上昇、肝機能異常

骨髄検査と確定診断

ALLの確定診断には、骨髄検査が不可欠です。

  1. 骨髄穿刺 骨髄液を吸引して調べる方法で、細胞の詳細な観察が可能。
  2. 骨髄生検 骨髄の小さな組織片を採取する方法で、骨髄の構造や細胞密度を評価できる。

検査で調べる点

  • 骨髄中の白血病細胞(芽球)の割合 芽球が骨髄細胞の20%以上を占める場合にALLと診断される。
  • 白血病細胞の形態学的特徴 細胞の大きさ、核の形、細胞質の特徴などを観察。
  • 細胞表面マーカーの解析(フローサイトメトリー法) 白血病細胞の表面にあるタンパク質(マーカー)を調べ、ALLのサブタイプを特定。

検査により、ALLの確定診断だけでなく、サブタイプの特定も行われます。

検査項目診断的意義得られる情報
骨髄穿刺白血病細胞の割合確認ALLの確定診断、病態の重症度評価
フローサイトメトリー細胞表面マーカー解析ALLのサブタイプ特定、治療方針の決定
骨髄生検骨髄の構造評価骨髄の線維化や細胞密度の確認

遺伝子検査と分子生物学的診断

ALLの診断精度をさらに高め、より詳細な病態の把握と治療方針を立てるため、遺伝子検査が実施されます。

検査項目

  • 染色体検査(核型分析) 顕微鏡で直接染色体の数や構造を観察し、大きな染色体異常を検出。
  • FISH法(蛍光in situハイブリダイゼーション) 特定の遺伝子や染色体領域を蛍光標識し、より詳細な染色体異常を検出。
  • PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応) 特定の遺伝子変異や融合遺伝子を高感度で検出。

画像診断

ALLの診断過程では圃場的に画像診断技術も用い、白血病細胞の体内での広がりや、他の臓器への影響を評価するのに役立ちます。

  • リンパ節腫大や臓器腫大の詳細な評価
  • 中枢神経系(脳や脊髄)への白血病細胞浸潤の確認
  • 感染症などの合併症の有無の確認
画像診断法用途得られる情報
X線検査胸部や骨の評価肺炎や骨病変の検出
CT検査全身のリンパ節や臓器の評価腫大したリンパ節や臓器の詳細な位置と大きさ
MRI検査中枢神経系の評価脳や脊髄への白血病細胞浸潤の有無

急性リンパ性白血病(ALL)の治療法と処方薬、治療期間

急性リンパ性白血病(ALL)の治療は化学療法を中心とし、標的療法や造血幹細胞移植を組み合わせて行われ、2〜3年の治療期間が必要です。

化学療法

化学療法はを効果的に排除し、正常な造血機能を回復させることを目的としていますが、同時に体の正常な細胞にも影響を与えるため、慎重な管理が不可欠です。

化学療法の段階目的期間の目安
寛解導入療法白血病細胞の急速な減少4〜6週間
地固め療法残存する白血病細胞の根絶数ヶ月
維持療法長期的な再発予防2〜3年

主要な化学療法薬

ALLの治療に用いられる化学療法薬

  • ビンクリスチン(細胞分裂阻害薬):がん細胞が分裂するのを防ぐ
  • ダウノルビシン(アントラサイクリン系抗がん剤):DNAに作用してがん細胞の増殖を抑える
  • シタラビン(代謝拮抗薬):がん細胞のDNA合成を妨ぐ
  • メトトレキサート(葉酸代謝拮抗薬):がん細胞の増殖に必要な葉酸の働きを阻害
  • L-アスパラギナーゼ(アミノ酸代謝阻害薬):がん細胞の成長に必要なアミノ酸を減らす

薬剤は、単独ではなく複数を組み合わせて使用することで、より高い治療効果を得られます。

標的療法

特定の遺伝子異常を標的とした分子標的薬が用いられることもあります。

標的療法薬対象となる遺伝子異常作用機序
イマチニブBCR-ABL1融合遺伝子異常なタンパク質の働きを抑える
ブリナツモマブCD19陽性ALL免疫細胞を活性化して白血病細胞を攻撃する

従来の化学療法と併用することで、より効果的な治療が可能です。

造血幹細胞移植

化学療法のみでは十分な効果が得られない高リスクの症例では、造血幹細胞移植が選択されます。

移植の種類には、同種移植(他人のドナーからの移植)と自家移植(患者さん自身の幹細胞を用いた移植)がありますが、ALLで行われるのは主に同種移植です。

同種移植は、健康な人の造血幹細胞を患者さんに移植することで、新しい免疫系を構築し、残存する白血病細胞を排除する効果が期待できます。

治療期間と経過観察

ALLの標準的な治療期間は、約2〜3年に及びます。

寛解導入療法は4〜6週間行われ、その後の地固め療法と維持療法が続きます。

維持療法は外来で行われることが多いく、治療終了後も定期的な経過観察が重要です。

急性リンパ性白血病(ALL)の治療における副作用やリスク

急性リンパ性白血病(ALL)の治療は、がん細胞を効果的に攻撃する強力な薬剤や放射線を使用するため、患者さんの体に大きな負担をかけ、副作用やリスクを伴います。

化学療法に伴う副作用

化学療法はがん細胞を破壊する一方で、正常な細胞にも影響を与えます。

化学療法の副作用

  • 骨髄抑制 血液細胞を作る骨髄の機能が低下し、感染症、貧血、出血のリスクが高まる。
  • 消化器症状 吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振などが現れ、栄養状態の悪化につながる。
  • 脱毛 一時的に毛髪が抜け落ちる
  • 口内炎 口腔内に痛みを伴う炎症が生じ、食事摂取が困難に
  • 倦怠感 極度の疲労感を感じる

副作用の多くは一時的なものですが、副作用の予防や軽減のための支持療法も並行して行われます。

副作用症状対処法
骨髄抑制感染症、貧血、出血G-CSF投与、輸血、抗生剤投与
消化器症状吐き気、嘔吐、下痢制吐剤、整腸剤、栄養サポート
脱毛頭髪、体毛の脱落ウィッグの使用、心理的サポート

ステロイド療法の副作用

ステロイドは抗炎症作用と抗白血病効果を持ちますが、同時にさまざまな副作用があります。

ステロイド療法に伴う副作用

  • 血糖値の上昇 糖尿病をこしたり、既存の糖尿病を悪化させる
  • 骨密度の低下 骨粗しょう症のリスクが高まり、骨折しやすくなる
  • 体重増加 食欲亢進や水分貯留により、急激な体重増加が見られる
  • 感染症のリスク 増大免疫機能が抑制されるため、感染症にかかりやすくなる
  • 消化性潰瘍 胃や十二指腸に潰瘍ができやすくなる
  • 精神症状 不眠、興奮、抑うつなどの症状
副作用リスク予防・対策
血糖値上昇糖尿病定期的な血糖測定、食事指導
骨密度低下骨粗しょう症カルシウム・ビタミンD補充、運動療法
感染症リスク増大日和見感染症予防的抗生剤投与、衛生管理の徹底

放射線療法のリスク

中枢神経系への白血病細胞の浸潤があったり再発リスクが高い場合には、放射線療法が行われ、局所的に効果的ですが、照射部位や周辺の正常組織にも影響を与えます。

放射線療法に関連するリスク

急性期の副作用

  • 頭痛や吐き気 照射直後から数週間続く
  • 脱毛 照射部位の髪の毛が抜け落ちる
  • 皮膚炎照 射部位の皮膚が赤くなったり、かゆみが出る
  • 倦怠感 全身の疲労感が強くなる

長期的なリスク

  • 認知機能への影響 小児患者さんでは、学習能力や記憶力に影響が出ることも
  • 内分泌機能障害 成長ホルモンの分泌低下などが起こる。
  • 二次がんの発生リスク 照射部位周辺で、将来別の種類のがんが発生するリスクが若干高まる

造血幹細胞移植に関連するリスク

造血幹細胞移植は、患者さんの造血機能を健康なドナーの幹細胞で置き換えるため、根治の可能性が高い半面、重大なリスクも伴います。

造血幹細胞移植に関連するリスク

  • 移植片対宿主病(GVHD) ドナーの免疫細胞が患者さんの組織を異物と認識して攻撃し、皮膚、肝臓、消化管などに症状が現れ、重症化すると生命を脅かす。
  • 重症感染症 移植前処置で免疫系が著しく低下するため、感染症のリスクが高まる。
  • 臓器障害 肝臓、腎臓、心臓などに障害が生じる可能性。
  • 不妊 高用量の抗がん剤や放射線照射により、生殖機能が低下または失われることがある。
  • 二次がんの発生リスク 長期的には、別の種類のがんが発生するリスクが若干高まる。
リスク説明予防・対策
GVHDドナー細胞による組織攻撃免疫抑制剤の使用、HLA適合度の高いドナー選択
感染症免疫抑制による感染リスク増大無菌室管理、予防的抗菌薬投与
臓器障害肝臓、腎臓、心臓などの機能低下臓器機能のモニタリング、支持療法

治療費について

治療費についての留意点

実際の治療費(医療費)が以下説明より高額になるケースが多々ございます。以下記載内容について当院では一切の責任を負いかねます事を予めご了承下さい。

入院治療にかかる費用

ALLの治療は主に入院で行われ、数週間から数ヶ月に及びます。

入院費用は1日あたり、2万円から5万円程度です。

病院の種類1日あたりの入院費用
一般病院2万円〜3万円
大学病院3万円〜5万円

長期入院の場合、総額は数百万円に達することがあります。

化学療法の費用

化学療法の費用

化学療法の種類1クール(約1ヶ月)あたりの費用
標準的な化学療法50万円〜100万円
高用量化学療法100万円〜200万円

複数回の治療サイクルが必要となるため、総額は数百万円から1000万円以上です。

造血幹細胞移植の費用

高リスク症例では造血幹細胞移植が行われます。

  • 移植前処置(化学療法・放射線療法):100万円〜200万円
  • 移植手技料:50万円〜100万円
  • 移植後の管理・治療:200万円〜500万円

移植を含む治療全体では、1000万円を超えることも珍しくありません。

外来治療と薬剤費

寛解後の維持療法は外来で行われ、薬剤費が主な支出です。

外来治療の場合、1回の診察・治療で1万円から5万円程度の費用がかかります。

薬剤費は使用する薬の種類によって異なり、特に新しい分子標的薬は高額です。

以上

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