この治療が選ばれる理由
最近、ちょっと驚くデータに出会いました。29万件以上のヒアルロン酸注入の症例を追跡した大規模な研究があるのですが、重篤な合併症の発生率はわずか0.0041%だったのです[1]。この数字を見たとき、僕は改めて「ヒアルロン酸注入は、やはり信頼性の高い治療だな」と実感しました。
ではなぜこれほどヒアルロン酸注入が世界中で支持されているのか?それは「安全性」と「仕上がりの自然さ」という、美容医療で最も大切な二つの要素を高いレベルで両立しているからです。メスを使わず、注射だけで顔の印象を変えることができる。しかも気に入らなければヒアルロニダーゼという酵素で溶かすことも可能です。この「やり直しがきく」という安心感は、初めて美容医療を受ける方にとって非常に大きいのです。
そもそもヒアルロン酸は僕たちの体内にもともと存在する成分です。皮膚や関節、目の硝子体に豊富に含まれていて、1グラムあたり約6リットルもの水分を抱え込む力を持っています。体にとって「異物」ではないからこそ、アレルギー反応のリスクが低い。これが長年にわたって支持されてきた最大の理由というわけです。
もう一つ、忙しい方にとって見逃せないのが「日常を止めなくていい」という点です。施術時間はTFT(トータルフェイシャルトリートメント)で1時間から2時間ほどかかりますが、ダウンタイムはほとんどなく、翌日からメイクもできますし、仕事や家事への影響もほとんどありません。この「しっかり時間をかけて丁寧に仕上げる、でも翌日から普通に過ごせる」というバランスが、多くの方に選ばれている理由なのだと僕は思います。
施術の仕組みとメカニズム
ヒアルロン酸注入の基本的な考え方は、とてもシンプルです。「加齢で失われたボリュームを、元に戻す」。これに尽きます。
人間の顔は20代をピークに、皮膚のコラーゲンやエラスチン、そして皮下の脂肪組織が少しずつ減っていきます。30代から40代にかけて「なんとなく疲れた顔に見える」「ほうれい線が目立ってきた」と感じるのは、このボリュームロスが原因であることが多いのです。骨も年齢とともに吸収されて小さくなるので、顔全体の「土台」そのものが変化しているわけです。
ヒアルロン酸注入では、このボリュームが減った部分にジェル状のヒアルロン酸製剤を注入して、内側からふっくらとした状態を取り戻します。ではなぜヒアルロン酸がジェルの形を保てるのか?それは「架橋」という化学処理によって分子同士が網目状につながっているからです[2]。架橋の度合いによって硬さや持続期間が変わるので、注入する部位に合わせて適切な製剤を選ぶことが非常に大切です。
たとえば、ほうれい線のような深いシワにはしっかりとした硬さのある製剤を使いますし、唇や涙袋のように繊細な部位には柔らかい製剤を選びます。この「どの製剤を、どの層に、どのくらい入れるか」という判断こそが、医師の腕の見せどころというわけです。注入後のヒアルロン酸は周囲の水分を引き寄せながら徐々に組織と馴染んでいき、約2週間で最終的な仕上がりになります。
期待できる効果
ヒアルロン酸注入で期待できる効果は、大きく分けて三つあります。①ボリュームの補充、②シワやたるみの改善、③顔の輪郭を整えるという三つです。
ボリューム補充は最もわかりやすい効果です。頬がこけてきた、こめかみが凹んできた、目の下がくぼんで疲れた印象になった。こうした「減ってしまったもの」を元に戻す。施術直後から効果が実感できるので、患者さんが鏡を見て「あ、若い頃の自分に近づいた」と言ってくださる瞬間は、僕にとっても嬉しい瞬間です。
シワの改善については、ほうれい線やマリオネットライン、ゴルゴラインといった「溝」に直接注入することで目立たなくしていきます。ただここで一つ正直に言わなければいけないのは、「完全にゼロにする」ことが目標ではないということです。不自然にパンパンに張った顔よりも、年齢に合った自然な状態に整えることが大切なのです。
効果の持続期間は製剤や注入部位によって異なりますが、当院で使用しているアラガン社のジュビダームビスタシリーズでは約1年半(1.5年)が目安です。ただ最近のMRI研究では、中顔面に注入されたヒアルロン酸が2年以上残存していたケースも複数報告されています[3]。臨床的な効果の実感とMRI上の残存は必ずしも一致しませんが、「思ったより長持ちする」というのが最近のエビデンスが示していることです。
施術の流れ
当院でのヒアルロン酸注入は、以下のような流れで進めています。
まずカウンセリングです。ここが実は一番大切な時間だと僕は思っています。患者さんがどの部分を気にしているのか、どんな変化を望んでいるのかをじっくり聞かせていただきます。「ほうれい線が気になる」と言っている方でも、よく見ると原因は頬のボリューム減少だったりすることがあります。表面的な症状だけでなく、顔全体のバランスを見て提案するのが僕のやり方です。
方針が決まったら、注入する部位と本数を具体的に計画していきます。TFTでは1回のセッションで3本から5本のシリンジを使い、顔全体のバランスを見ながら複数の部位に注入していきます。
施術は1時間から2時間ほどかけて丁寧に進めていきます。注入しながら左右のバランスを確認し、鏡で患者さんにも見ていただきながら微調整をしていきます。施術中は看護師が付き添い、患者さんがリラックスできるよう工夫しています。注入部位によって痛みの感じ方は変わりますが、施術を受けた方の多くが「我慢できる範囲だった」と話されています。
施術後はそのままお帰りいただけます。後日、経過を確認するための観察来院を1回お願いしています。追加の施術をご希望の場合は、数か月後に改めてご来院いただく流れです。
痛みとダウンタイム
「痛いですか?」というのは、初めての方からいただく質問で一番多いかもしれません。正直に言います。「全く痛くない」とは言えません。でも「我慢できないほどの痛み」でもないのです。
チクッとした針の刺入感と、ヒアルロン酸が入っていくときのジワーッとした圧迫感が主な感覚です。注入部位によって痛みの感じ方は変わりますが、施術中は看護師が付き添い、患者さんがリラックスできるよう工夫しています。施術を受けた方の多くが「我慢できる範囲だった」と話されています。以前施術を受けた患者さんが「歯医者の麻酔のほうがよっぽど怖い」と言っていましたが、個人差はあるものの、多くの方にとってそのくらいの感覚だと思います。
ダウンタイムについても正直にお話しします。注入直後は若干の腫れや赤みが出ます。これは数時間から翌日にはほぼ落ち着きます。ただ、内出血が出る可能性があります。確率としては約10%から20%程度。出たとしても1週間から10日ほどで消えますし、コンシーラーで隠せる程度です。大事なイベントの直前は避けて、2週間くらい余裕を持って受けていただくことをおすすめしています。
翌日からメイクは可能ですし、軽い運動も問題ありません。激しい運動やサウナ、飲酒は2日から3日ほど控えていただくようにお伝えしています。「思ったよりも普通に生活できた」という声がほとんどです。
リスクと注意点
ここは医師として正直にお伝えしなければいけない部分です。ヒアルロン酸注入は安全性の高い施術ですが、リスクがゼロではありません。
最も多い副反応は、先ほどお話しした腫れ、赤み、内出血です。これらは一時的なもので自然に治まります。ごくまれに、注入部位にしこりができることがあります。これはヒアルロン酸が均一に広がらなかった場合に起こるもので、マッサージやヒアルロニダーゼの注射で対処できます。
最も注意すべき合併症は「血管閉塞」です。ヒアルロン酸が血管内に入ってしまったり、血管を圧迫してしまうことで血流障害を起こすもので、最悪の場合は皮膚壊死や視力障害につながる可能性があります[4]。ではどのくらいの頻度で起こるのか?29万件の大規模研究では血管閉塞は10件、発生率は0.003%でした[1]。極めてまれではありますが、ゼロではないのです。
だからこそ、解剖学を熟知した経験豊富な医師のもとで受けることが何より大切です。血管の走行を理解し、適切な注入層を見極め、万が一の際にすぐ対処できる体制を整えていること。この三つが揃った環境で受けていただきたいと僕は考えています。ヒアルロニダーゼによる溶解治療では84.2%の症例で部分的または完全な回復が報告されており[4]、迅速な対応が予後を大きく左右します。
費用の目安
費用については気になる方が多いと思うので、一般的な相場をお伝えします。ヒアルロン酸注入は自由診療のため、クリニックによって価格が大きく異なります。
ヒアルロン酸フィラーの価格はクリニックによって大きく異なります。韓国製や厚生労働省の承認を受けていない製剤を使うクリニックでは比較的安価な場合もありますが、当院ではアラガン社のジュビダーム(厚生労働省承認品)を使用しています。承認品は安全性と品質が確保されており、安心して施術を受けていただけます。当院では1本あたり10万円(定価)でご提供しています。TFTアプローチの場合は3本から5本を使用するケースが多く、モニター価格もございます。費用の詳細はLINEでお気軽にお問い合わせください。
施術後のケアとメンテナンス
ヒアルロン酸注入は「やって終わり」ではありません。施術後のケアによって仕上がりや持続期間が変わってきます。
施術当日から翌日にかけては、注入部位を強く触ったり揉んだりしないことが大切です。ヒアルロン酸がまだ完全に定着していない状態で外力を加えると、形が崩れてしまう可能性があります。就寝時にうつ伏せで寝る癖がある方は、2日から3日は仰向けを意識していただくようにお伝えしています。
日常的なスキンケアは翌日から通常通りで問題ありません。ただ、施術後1週間くらいは注入部位への強いマッサージやエステは避けてください。保湿と紫外線対策はむしろしっかり行っていただいたほうが、肌のコンディションも良くなります。
メンテナンスの頻度については、みなさんからもよく質問をいただきます。ではなぜ効果が完全になくなる前に追加注入したほうがいいのか?それは少しヒアルロン酸が残っている状態のほうが、土台がある分だけ少量の追加で自然な仕上がりを維持できるからです。具体的には初回施術から6か月から12か月ほどの間隔でメンテナンス注入をしていくと、トータルの注入量も少なくて済みますし、「急に変わった」という印象も与えにくくなります。最近の研究では、定期的な追加注入によって周囲のコラーゲン産生が促されるという報告もあり[5]、長期的に見てもメリットのあるアプローチだと考えています。
他の治療との比較
美容医療にはヒアルロン酸注入以外にもさまざまな選択肢があります。「自分にはどれが合っているのか」を判断するために、代表的な治療との違いを整理しておきます。
ボトックス注射とよく混同されますが、この二つは全く別の治療です。ボトックスは筋肉の動きを抑えることで「表情ジワ」を改善する治療。おでこの横ジワや眉間のシワ、目尻のシワに向いています。一方、ヒアルロン酸注入は「ボリュームの補充」が目的です。ほうれい線のような「溝」やこけた頬の改善にはヒアルロン酸注入のほうが適しています。むしろこの二つを組み合わせることで、より自然で立体的な若返りが可能になるのです。
脂肪注入との比較もよく聞かれます。自分の脂肪を使うので「異物を入れない」という安心感がありますが、脂肪の採取と注入の二つの工程が必要で、ダウンタイムも長くなります。脂肪注入の定着率は30%から70%とばらつきがあるため、思った通りの仕上がりにならないこともあります。手軽さと予測のしやすさという点では、ヒアルロン酸注入に分があります。
一般的には、糸リフトはたるみの引き上げに特化した施術で、ヒアルロン酸注入とは目的が異なります。たるみが主な悩みなら糸リフト、ボリューム減少が主な悩みならヒアルロン酸注入、というのが基本的な選び方です。他院では両方を組み合わせるケースもあります。どの治療が自分に合っているかは、実際にお顔を拝見してからでないと判断できないので、ぜひカウンセリングでご相談いただければと思います。
年代別のアプローチ
ヒアルロン酸注入は20代から60代以上まで幅広い年代の方が受けていますが、年代によって「何に注入するか」「どのくらい入れるか」が変わってきます。
20代から30代前半の方は、もともとのボリュームがまだ十分に保たれていることが多いので、涙袋や唇、鼻筋といったパーツの形を整える「形成」目的がほとんどです。使用量も少量で済むケースが多く、0.3ccから1cc程度の微調整で十分な変化が得られます。
30代後半から40代になると、頬のこけやほうれい線の深まりなど「エイジングサイン」への対応が増えてきます。この年代は「若返り」というよりも「疲れた印象を取り除く」という表現のほうが近いかもしれません。中顔面のボリューム補充を行うことで、ほうれい線やゴルゴラインが自然に改善されることも多く、2ccから4cc程度の注入が一般的です。
50代以上の方は、骨吸収による顔全体の変化も考慮に入れる必要があります。こめかみの凹み、頬のたるみ、マリオネットラインの深まり。こうした変化には「面」で支えるような注入デザインが求められます。ただ、「若い頃に完全に戻す」のではなく「今の自分を最も魅力的に見せる」というゴール設定が大切です。年相応の美しさというものがありますし、入れすぎると逆に不自然になってしまうのです。
当院(庄内プライベートクリニック)での特徴
僕が庄内プライベートクリニックでのヒアルロン酸注入にこだわっていることが、いくつかあります。
一つ目は「カウンセリングの時間を十分に取る」ということです。予約制で一人ひとりにしっかりと時間を確保していますので、「流れ作業で打たれた」ということはありません。患者さんのご希望をお聞きした上で、僕の医学的な見解もお伝えして、お互いが納得できるプランを組み立てていきます。「やらないほうがいい」と思ったときは、正直にそうお伝えすることもあります。
二つ目は「厚生労働省承認の正規製剤のみを使用している」という点です。アラガン社のジュビダームビスタシリーズを中心に、部位に合わせて最適な製剤を選択しています。正規ルートで仕入れた製剤を適切に温度管理して保管していますので、品質面での不安はありません。
三つ目は、山形県酒田市という土地で美容医療を提供しているということ自体に意味があると僕は思っています。「美容医療を受けたいけど、仙台や東京まで行くのは大変」「定期的なメンテナンスを考えると、近くにクリニックがあるほうがいい」。庄内地方にお住まいの方からそういった声をいただくことがあります。地元で安心して美容医療を受けられる環境を作ること。これも僕たちの大切な役割だと考えています。
よくある質問(FAQ)
Q. ヒアルロン酸注入の効果はどのくらい持ちますか?
A. 当院で使用しているアラガン社のジュビダームビスタシリーズでは、約1年半(1.5年)程度の持続が目安です。頬のような動きの少ない部位ではより長持ちし、唇のようによく動く部位では早く吸収される傾向があります。MRI研究では2年以上残存していたデータもあります[3]。
Q. ヒアルロン酸注入に年齢制限はありますか?
A. 厳密な年齢制限はありませんが、当院では18歳以上の方を対象としています。20代でも涙袋や鼻筋の形成で受けられる方はいらっしゃいますし、70代の方がほうれい線のケアで通われていることもあります。年齢よりも「何を改善したいか」が判断基準です。
Q. 施術後に顔がパンパンに腫れませんか?
A. 注入直後は「少し入れすぎたかな」と感じるくらいふっくらすることがありますが、これは一時的な腫れです。2日から3日でほぼ引きますし、2週間後には最終的な仕上がりになります。周囲に気づかれたくない方は、マスクをしていれば当日でもほとんどわかりません。
Q. ヒアルロン酸を入れ続けるとどうなりますか?
A. 適切な量を適切な間隔で入れていれば問題ありません。むしろ定期的な注入で周囲のコラーゲン産生が促されるという報告もあります[5]。ただ、過剰に注入し続けると顔が不自然に大きく見えてしまうことがあるので、「足しすぎない」という意識は常に必要です。
Q. 妊娠中・授乳中でも施術は受けられますか?
A. 妊娠中・授乳中のヒアルロン酸注入はお断りしています。安全性が確認されていないためです。妊活中の方も念のためお控えいただくようにご案内しています。
Q. 他の美容施術と同日にできますか?
A. ボトックス注射との同日施術は可能です。ただし一般的には、レーザー治療など皮膚に刺激を与える施術は、ヒアルロン酸注入から2週間以上空けることが推奨されています。
Q. しこりができてしまった場合はどうすればいいですか?
A. まずは焦らないでください。注入直後のしこり感は、ヒアルロン酸がまだ馴染んでいないだけのことが多く、2週間ほどで落ち着くケースがほとんどです。それでも残る場合は、ヒアルロニダーゼで溶解するか、マッサージで対応できます。気になる場合はすぐにご連絡ください。
Q. カウンセリングだけでも大丈夫ですか?
A. もちろんです。「まずは話を聞いてみたい」「自分に合う治療か相談したい」という方は大歓迎です。カウンセリングで納得いただいてから施術をするかどうか決めていただければ構いません。無理に施術をおすすめすることは一切ありません。
気になる方は、お気軽にご相談ください。費用の詳細はLINEでお気軽にお問い合わせください。
ヒアルロン酸注入のご相談・カウンセリング予約
庄内プライベートクリニック(医療法人丸岡医院グループ)では、ヒアルロン酸注入をはじめとした美容医療を提供しています。まずはカウンセリングからお気軽にご相談ください。
電話でのご予約: 0234-25-3217
LINE予約: 友だち追加してご予約
参考文献
[1] Kim DW, et al. Serious Complications of Hyaluronic Acid Fillers-A Retrospective Study of 290,307 Cases. Aesthetic Plast Surg. 2025. PMID: 40358958.
[2] Mitrovic S, et al. Efficacy and Safety of Hyaluronic Acid Fillers for Midface Augmentation: A Systematic Review and Meta-Analysis. Medicina. 2025;61(10):1823.
[3] Owens CD, et al. Hyaluronic Acid Filler Longevity in the Mid-face: A Review of 33 Magnetic Resonance Imaging Studies. Aesthetic Surg J. 2024;44(7):NP456-NP463.
[4] Ali MJ, et al. Risk Factor Analysis for Vascular Occlusions After Dermal Filler Injections: A Systematic Review and Meta-Analysis. Cureus. 2025;17(5):e80059.
[5] Rohrich RJ, et al. Clinical Durability of Hyaluronic Acid-Based Dermal Fillers for Facial Application: A Systematic Review. Dermatol Surg. 2025. PMID: 41261256.