「先生、レーザートーニングって本当にシミに効くんですか?」
この質問、僕は月に何度も受けます。みなさんこんにちは、丸岡悠です。シミの治療を考え始めると「レーザートーニング」という言葉に必ずたどり着きますよね。でも、ネットで調べれば調べるほど情報が多すぎて、結局よく分からなくなってしまう。「自分のシミに効くのか」「痛くないのか」「何回通えばいいのか」「お金はどれくらいかかるのか」。こうした疑問を抱えたまま、一歩を踏み出せない方がとても多いのです。
僕が美容医療に向き合っている理由はシンプルで、「キレイになりたい」「自信を持ちたい」という気持ちに、医師として正直に応えたいからです。だからこそ今日は、レーザートーニングによるシミ取りについて、良い面も限界も含めて、僕の言葉でお話しさせていただきます。
この治療が選ばれる理由
シミ取りの方法はいくつかありますが、レーザートーニングが選ばれる最大の理由は「肝斑にもアプローチできる」という点です。
ではなぜそれが大きいのか?それは、従来の高出力レーザーでは肝斑をかえって悪化させてしまうリスクがあったからです。肝斑は日本人女性の約30%に見られるとも言われていて、30代から50代の方に特に多い。「シミだと思って従来のレーザーで焼いたら、逆に濃くなってしまった」という話は美容医療の世界では珍しくありませんでした[1]。
レーザートーニングはこの問題を解決するために生まれた治療法です。低い出力でじわじわとメラニンに働きかけるので、肌への負担が少なく、肝斑を含めた幅広いシミに対応できます。「ダウンタイムがほとんどない」というのも、忙しい毎日の中で治療を受けたい方にとって大きな魅力です。
「シミは気になるけど、大がかりな治療はちょっと怖い」という方にも向いています。1回の施術は約10〜20分程度で終わりますし、直後にメイクもできる。仕事帰りにふらっと寄って受けられる手軽さが、多くの方に支持されている理由なのです。
施術の仕組みとメカニズム
レーザートーニングで使用するのは、QスイッチNd:YAGレーザーという機器です。波長は1064nmで、これがメラニン色素に対して選択的に反応します。
ではなぜ「低出力」がポイントなのか?従来のシミ取りレーザーは高いエネルギーでメラニンを一気に破壊する方法でした。効果は確かに高いのですが、周囲の組織にもダメージを与えやすく、炎症後色素沈着のリスクがありました。レーザートーニングは「サブセルラー・セレクティブ・フォトサーモリシス」と呼ばれるメカニズムを利用します[1]。これは細胞そのものを壊さずに、細胞の中にあるメラノソーム(メラニンを含む小器官)だけを選択的に分解する技術です。
もう少し分かりやすく言うと、「強い火で一気に焼く」のではなく「弱い火でじっくり溶かしていく」イメージです。大きなスポットサイズで顔全体に均一にレーザーを当てることで、ムラなくメラニンに働きかけます。1回で全部のメラニンを除去するのではなく、複数回に分けて少しずつ薄くしていく。だからこそ肌への負担が少ないわけです。
2022年に発表されたシステマティックレビューでは、42本の研究を分析した結果、低出力QスイッチNd:YAGレーザーによるトーニングは「概ね有効かつ安全な治療法」と結論づけています[1]。別のメタ分析でも、12の臨床研究・計358名の患者データを統合した結果、レーザートーニングは従来の外用薬と比較して同等以上のメラニン改善効果を示しました[4]。
期待できる効果
レーザートーニングで期待できる変化は、大きく分けて3つあります。
①シミ・肝斑の改善。これがメインの効果です。回数を重ねるごとにメラニンが減少し、肌全体のトーンが明るくなっていきます。②肌のキメとハリの改善。レーザーの熱刺激によってコラーゲンの生成が促されるため、シミだけでなく肌質全体の向上が期待できます。③毛穴の引き締め。これは副次的な効果ですが、実感される方が多いです。
ではどのくらいで効果が出るのか?正直に言いますと、1回の施術で「劇的に変わった」と感じる方は少ないです。5回目あたりから「あれ、なんか明るくなった?」と感じ始め、8〜10回でしっかりとした変化を実感する方が多い印象です。2024年に発表された前向きランダム化比較試験でも、2週間ごとに計8回の施術を行った結果、メラニン指数の有意な改善が確認されています[2]。
ただ、ここは正直にお伝えしておきたいのですが、「シミが完全に消える」とは限りません。特に皮膚の深い層にあるシミや、長年にわたって紫外線を浴び続けてきた肌では、改善の度合いに個人差があります。僕はカウンセリングの段階で「どのくらいの改善が現実的か」をしっかりお話しするようにしています。過度な期待を持たせてしまうのは、医師として不誠実だと思うのです。
施術の流れ
当院でレーザートーニングを受ける場合の流れをお話しします。
カウンセリングからスタートです。「どのシミが気になっているか」「いつ頃からあるか」「これまでにどんなケアをしてきたか」をお聞きします。肝斑なのか老人性色素斑なのか、そばかす(雀卵斑)なのか、あるいは複数が混在しているのか。これによって治療の進め方がまるで違ってくるからです。ここでしっかり診断をつけることが、実は一番大切なステップです。「シミ」と一口に言っても中身は全然違う。この見極めが治療の成否を左右します。
診断がついたら、洗顔してメイクを落としていただきます。レーザーの光がメイクに吸収されてしまうと効果が落ちるので、清潔な素肌の状態で施術に入ります。
施術自体は10〜15分程度です。顔全体にレーザーを均一に照射していきます。パチパチという軽い刺激はありますが、麻酔は基本的に不要です。施術が終わったら保湿とクーリングをして、日焼け止めを塗って終了。直後からメイクも可能です。
治療の間隔は2〜4週間に1回。5〜10回を1クールとして、肌の変化を観察しながら回数を調整していきます。毎回、僕が肌の状態を確認して「前回よりメラニンが減ってきていますね」「この部分はもう少し回数が必要そうです」とフィードバックをお伝えするようにしています。ただ黙々とレーザーを当てるだけでは、患者さんも不安ですよね。経過を共有しながら進めることが、治療への信頼感につながると僕は考えています。
痛みとダウンタイム
「痛いですか?」これは必ず聞かれます。
正直に答えると、「少しチクチクする程度」です。ゴムでパチンと弾かれるような感覚、と表現される方が多いですが、涙が出るほどの痛みではありません。以前、ある患者さんが「思ってたより全然平気でした。もっと怖いものを想像してたんです」とおっしゃっていたのが印象的でした。痛みに敏感な方には冷却しながら施術することもできますので、ご安心ください。
ダウンタイムはほぼゼロに近い。ここがレーザートーニングの大きな特徴です。施術直後に軽い赤みやほてりが出ることはありますが、数時間で落ち着きます。翌日から普通に生活できますし、メイクも当日からOKです。テープを貼る必要もありません。
ただ、施術後1〜2日は肌が敏感になっているので、紫外線対策はしっかりお願いしています。せっかくレーザーでメラニンを減らしても、紫外線を浴びてしまったら元も子もないわけです。庄内地方は冬場でも意外と紫外線が強い日がありますから、季節を問わず日焼け止めは必須です。
リスクと注意点
どんな治療にもリスクはあります。レーザートーニングも例外ではありません。医師として正直に伝えなければならない部分です。
一番注意が必要なのは「まだら状の色素脱失」です。これは治療回数が多すぎたり、出力の設定が不適切だったりした場合に起こり得ます。2022年のシステマティックレビューによると、10回以内の施術であればリスクは低いものの、一部の研究では177名中21名(約12%)に色素脱失が見られたという報告もあります[1]。ただし、これは治療のプロトコルに大きく依存するため、適切な設定と経過観察で防ぐことが可能です。
「白斑」のリスクもあります。これも過剰な照射が原因になることが多い。僕は「やりすぎない」ことを常に意識しています。効果を求めるあまり回数を増やしすぎたり、出力を上げすぎたりするのは本末転倒です。「もう少し回数を重ねたい」と患者さんから言われることもありますが、肌の状態を見て「今はここで止めましょう」とお伝えすることもあります。
妊娠中の方、日焼け直後の方、皮膚に炎症がある方は施術を受けられません。これは安全のために絶対に守っていただくルールです。ケロイド体質の方や、光過敏症の既往がある方も事前にご相談ください。万が一、施術後に気になる症状が出た場合はすぐにご連絡いただければ対応します。リスクがあるからこそ、信頼できる医師のもとで受けることが大切なのです。
施術後のセルフケア
レーザートーニングの効果を最大限に引き出すには、施術後の過ごし方がとても大切です。
何より重要なのが「紫外線対策」です。SPF30以上の日焼け止めを毎日塗ること。曇りの日も、室内にいる日も、です。紫外線はガラスを通して入ってきますし、PCやスマホのブルーライトもメラニンの生成に関与するという研究もあります。「せっかくレーザーを当てたのにまた焼けちゃった」という事態は避けたいですよね。帽子やサングラスの併用もお勧めしています。
「保湿」も欠かせません。レーザー照射後の肌はバリア機能が一時的に低下しています。刺激の少ない保湿剤をしっかり塗ってください。高価なものである必要はありません。シンプルに、しっかり保湿できるものを選んでいただければ十分です。
ちなみに、治療期間中にトラネキサム酸やビタミンCの内服を併用すると、より効果的だという報告もあります[4]。メタ分析でも、レーザートーニング単独よりも外用薬や内服薬との併用療法の方がMASIスコア(肝斑の重症度指標)の改善が大きかったとされています。この辺りは診察の際に、お一人お一人の状態に合わせてご提案します。
費用の目安
レーザートーニングは保険適用外の自費診療です。これは避けて通れない現実ですね。
全国的な相場として、1回あたり約5,000円〜20,000円が目安です。クリニックによって差がありますし、顔全体か部分照射かによっても変わります。5回コースで40,000円〜80,000円、10回コースで70,000円〜150,000円程度がコース契約の相場感です。
「結構かかるんだな」と感じるかもしれません。でも考えてみてください。効果がはっきりしない高級美白化粧品を毎月8,000円〜10,000円ずつ買い続けるのと、医学的根拠のあるレーザー治療に投資するのとでは、どちらが長い目で見て「コストパフォーマンスが高い」か。これは人それぞれの判断ですが、僕は「ちゃんとエビデンスのある治療にお金を使う」ことの価値を知っていただきたいと思っています。
当院での具体的な料金は、直接お問い合わせいただければ詳しくご案内します。費用の詳細はLINEでお気軽にお問い合わせください。
他の治療との比較
シミ取りの選択肢はレーザートーニングだけではありません。それぞれの特徴を知っておくことで、自分に合った治療を選びやすくなります。
①レーザートーニング。低出力で回数を重ねるタイプ。肝斑にも対応可能。ダウンタイムはほぼなし。5〜10回の通院が必要です。②スポットレーザー(高出力Qスイッチ)。シミをピンポイントで狙い打ちする方法です。1〜2回で効果が出やすい反面、かさぶたが1〜2週間できます。肝斑には使えません。③ピコレーザー。ピコ秒(1兆分の1秒)という超短パルスで照射する新世代のレーザーです。Qスイッチレーザーよりも細かくメラニンを砕けるとされていますが、2023年の前向き比較研究では、低出力でのピコレーザーとQスイッチレーザーの効果に統計的な有意差は認められませんでした[3]。④IPL(光治療)。幅広い波長の光を使う治療で、シミ、赤み、毛穴といった複数の悩みに同時にアプローチできます。ただし、肝斑にはレーザートーニングほどの効果は期待しにくい。⑤外用薬・内服薬(ハイドロキノン、トレチノイン、トラネキサム酸)。塗り薬や飲み薬による治療です。手軽で継続しやすい反面、効果が出るまで数ヶ月かかることが多い。レーザーとの併用が最も効果的です[4]。
ではどれを選べばいいのか?正直、診察してみないと判断できません。シミの種類は見た目だけでは判別が難しいこともありますし、複数の種類が混在していることも珍しくありません。2024年の研究では、532nm波長のQスイッチレーザーは色素沈着の改善に優れ、1064nm波長は肌質全体の若返りに優れていたという報告もあり[2]、波長の使い分けも治療戦略の重要な要素になってきています。
当院(庄内プライベートクリニック)での特徴
僕が治療をする上で最も大切にしていること。それは「患者さんの期待値と現実をしっかりすり合わせる」ことです。
レーザートーニングは万能ではありません。でも、正確な診断と適切なプロトコルに基づいて行えば、確実に肌は変わっていきます。僕は毎回の施術前に肌の状態を丁寧に確認して、出力や照射パスの回数を微調整しています。「前回と同じ設定でいいだろう」という姿勢は、医療ではないと思っているからです。
「東京や仙台まで行かないと、ちゃんとした美容医療は受けられない」と思っている方が酒田市にはまだまだいらっしゃいます。でも、それは違います。地方だからといって治療の質を落とす理由はどこにもありません。最新の医学的エビデンスに基づいた施術を、通いやすい距離で受けられること。これが当院の強みだと僕は思っています。
2025年に発表された最新の研究では、低出力照射とマイクロ秒パルスを組み合わせた新しい照射方法が報告されています[5]。28名の肝斑患者を対象にした臨床試験で、従来のレーザートーニング単独よりも安全性の高い治療成績が示されました。こうした最新のエビデンスを常にアップデートしながら、当院の治療プロトコルに反映していくことを僕は意識しています。
もう一つ、僕は「過度な施術を勧めない」ことを徹底しています。必要以上にコースを組ませたり、効果が出にくい方に漫然と続けさせたりはしません。「この方にはレーザートーニングよりも別のアプローチが合っている」と判断すれば、正直にそうお伝えします。だからこそ、まずはカウンセリングに来ていただきたいのです。
気になる方は、お気軽にご相談ください。費用の詳細はLINEでお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q. レーザートーニングは何回受ければシミが取れますか?
A. 5〜10回の施術で効果を実感される方が多いです。ただ「完全にシミが消える」というよりは「目立たなくなる」「肌全体のトーンが明るくなる」という表現の方が正確です。シミの種類や深さ、お肌の状態によって個人差がありますので、カウンセリングで具体的な見通しをお伝えします。
Q. 肝斑がありますが、レーザートーニングで悪化しませんか?
A. レーザートーニングは低出力で照射するため、適切なプロトコルであれば肝斑を悪化させるリスクは低いです。むしろ、肝斑に対して安全にアプローチできる数少ないレーザー治療の一つです[1]。ただし、治療回数の管理が大切で、やりすぎは禁物です。
Q. 施術中の痛みはどのくらいですか?
A. 「ゴムでパチンと弾かれる程度」と表現される方が多いです。大半の方が麻酔なしで問題なく受けられています。痛みに敏感な方には冷却しながらの施術も可能ですので、遠慮なくお申し出ください。
Q. 施術後すぐにメイクできますか?
A. はい、施術直後からメイク可能です。ダウンタイムがほとんどないので、お昼休みに施術を受けて午後から仕事に戻る、ということも十分可能です。テープを貼る必要もありません。
Q. レーザートーニングとピコレーザーはどう違いますか?
A. レーザートーニングはQスイッチ方式で「ナノ秒」単位の照射、ピコレーザーは「ピコ秒」単位のより短いパルスで照射します。理論上はピコレーザーの方がメラニンをより細かく砕けるとされていますが、2023年の臨床研究では低出力での比較において統計的な有意差は認められていません[3]。どちらが適しているかは、肌の状態と治療目標によって変わります。
Q. 何歳から受けられますか?年齢制限はありますか?
A. 基本的に年齢制限はありません。ただ、10代の方にはまず紫外線対策と生活習慣の見直しをお勧めしています。実際に来院される方で多いのは30代〜60代で、最近は性別を問わず男性の患者さんも増えている印象です。
Q. 日焼けしていても施術できますか?
A. 日焼け直後の施術はできません。皮膚にメラニンが増えている状態でレーザーを当てると、火傷や色素沈着のリスクが高まります。最低でも日焼けから2〜4週間は空けていただく必要があります。治療期間中の紫外線対策は徹底してください。
Q. 一度薄くなったシミはまた出てきますか?
A. 残念ながら「二度とシミが出ない」というわけではありません。紫外線やホルモンバランスの変化によって新しいメラニンが生成されることはあります。ただし、日常的な紫外線対策と定期的なメンテナンス(3〜6ヶ月に1回程度)で、良い状態を長く維持していくことは十分に可能です。
レーザートーニング シミ取りのご相談・カウンセリング予約
庄内プライベートクリニック(医療法人丸岡医院グループ)では、レーザートーニング シミ取りをはじめとした美容医療を提供しています。まずはカウンセリングからお気軽にご相談ください。
電話でのご予約: 0234-25-3217
LINE予約: 友だち追加してご予約
参考文献
[1] Kim JH, et al. The Low-Fluence Q-Switched Nd:YAG Laser Treatment for Melasma: A Systematic Review. Medicina. 2022;58(7):936.
[2] Wu S, et al. Novel 532-nm Q-switched Nd:YAG laser for the treatment of melasma and rejuvenation: a prospective, randomized controlled comparison with 1,064-nm Q-switched Nd:YAG laser. Int J Dermatol. 2024;63(4):e123-e130.
[3] Lee YJ, et al. The Efficacy and Safety of a Low-Fluence 1064 nm Picosecond ND-YAG Laser Compared with Those of a Low-Fluence PTP Mode 1064 nm Q-Switched ND-YAG Laser for Treatment of Melasma: A Prospective Split-Face Study. Dermatol Ther. 2023;2023:5961152.
[4] Chen Y, et al. Efficacy of low-fluence 1064 nm Q-switched Nd:YAG laser for the treatment of melasma: A meta-analysis and systematic review. J Cosmet Dermatol. 2022;21(11):5267-5276.
[5] Lee HJ, et al. Novel melasma therapy using combined low fluence and microsecond pulse Q-switched 1064 nm Nd:YAG laser. Sci Rep. 2025;15:Article 10129.